■今後の見通し

1. 2018年9月期の業績見通し
ジャパンベストレスキューシステム<2453>の2018年9月期の連結業績は、売上高が前期比12.9%増の14,000百万円、営業利益が同34.9%増の1,200百万円、経常利益が同28.0%増の1,220百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.4%増の970百万円となる見通し。会員事業や少額短期保険事業、リペア事業をけん引役に2ケタ増収となり、利益面では前期に実施した不採算案件の整理・縮小効果や会員事業におけるストック収益の拡大、リペア事業の収益化等により、売上高営業利益率で8.6%と前期比1.4ポイントの上昇を見込む。親会社株主に帰属する当期純利益の増益率は、前期に計上した投資有価証券売却益がなくなるため1ケタ台にとどまるが、過去最高業績を連続で更新する見通しだ。

第1四半期(2017年10月-12月)の状況は、駆けつけ事業やリペア事業の売上高が若干出遅れているものの、営業利益は計画どおりの進捗となったもようだ。同社では駆けつけサービスの集客力強化のためWebサイトを2017年12月に全面リニューアルした。12月段階でのアクセス数は従前よりも増加しており、今後の成約件数の増加につながる取り組みとして注目される。

なお、同社では2018年9月期より事業セグメントを変更する予定にしている。組織体制と開示セグメントを連動させることで管理会計を改善し、経営効率の向上につなげていくことが狙いとなっている。具体的には、駆けつけ、不動産、会員、保証、リペア、保険の6事業セグメントに分類する予定。

駆けつけ事業は、旧コールセンター事業、加盟店事業と企業提携事業の一部(包括提携)が含まれる非会員向けの生活関連トラブル解決サービスとなる。2018年9月期は売上高で前期比2ケタ減収、営業利益で2ケタ増益を見込む。売上高が減収となるのは一部のサービスに関して売上計上方法を変更するため。包括提携サービスのうち、水回りとガラス関連サービスについては従来、サービス料金を100%売上計上していたが、2018年9月期より他のサービスと同様、30%のみを売上計上する方式に切り替える。該当サービスの売上高は前期実績で20億円強程度と見られ、単純に成約件数が前期並みだった場合、14億円の減収要因となる。この特殊要因を除けば前期比2ケタ増収となる。従来の電話帳「タウンページ」による集客施策を継続していくことに加えて、インターネット広告やWebサイトのリニューアル等に取り組むことで成約件数の増加を見込んでいる。

不動産事業は、旧会員事業のうち不動産事業者との提携による会員サービス(安心入居サポート等)のほか、企業提携事業の一部(コールセンター受託)が含まれる。2018年9月期の売上高は前期比2ケタ増収増益を見込んでいる。コールセンター受託事業に関しては、不採算案件の整理を進めたことで売上高は伸びないものの利益面では改善が進む見通し。また、「安心入居サポート」は売上一括方式の契約が切り替え対象の6割程度残っており、これが契約更新時に月額売上計上方式に切り替わることで3億弱の減収要因となるものの、前期までに積み上がった前受収益(ストック収益)の売上計上が進むことから、全体で見れば今期は利益への影響は2億円程と見られる。

会員事業は、旧会員事業のうち通信事業者や大学生協との提携及び自社会員向けのサービス(dリビング、ライフデポ、学生生活110番等)が含まれ、2018年9月期はNTTドコモの「dリビング」や大学生協向け「学生生活110番」の会員数増加が続き、2ケタ増収増益を見込んでいる。

保証事業は、旧会員事業のうち住宅設備・家電等の保証サービスとなる「あんしん修理サポート」の事業となり、2018年9月期は増収減益を見込んでいる。引き続きホームセンターや家電量販店を通じた会員数は2ケタ増ペースで拡大する見通しだが、営業体制強化に伴う人件費増が減益要因となる。ただ、同計画には2017年11月より提携を開始したヤマダ電機<9831>からの会員数増効果が含まれていないため、上乗せ余地があると見られる。

リペア事業については住宅・家具の補修サービスとなるが、2017年10月より市場領域を広げ、顧客開拓をスタートさせている。施工体制も協力店を増やしながら全国に営業エリアを広げ、事業規模を拡大していく戦略で増収増益を見込んでいる。保険事業は「新すまいRoom保険」のほか「弁護士保険」等その他の保険サービスの拡販により、総契約件数を前期の274千件から360千件に伸ばす計画となっており、2018年9月期も売上高で前期比16%増の38.6億円、営業利益も2.8億円と増収増益を見込んでいる。

なお、2018年9月期末の有効会員数は前期末比280千人増加の2,504千人を計画している。主要サービス別で見ると、「安心入居サポート」は特定顧客向けの減少により同29千人減の782千人と減少するが、「あんしん修理サポート」が同142千人増の600千人、「dリビング」が同77千人増の350千人、「学生生活110番」が同16千人増の268千人といずれも増加する見込みとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 JBR Research Memo(6):2018年9月期業績は2ケタ増収増益を見込む