■要約

ビジネス・ブレークスルー<2464>は、インターネットを活用した遠隔型マネジメント教育サービスを主力事業とし、2005年にビジネス・ブレークスルー大学大学院(以下、BBT大学大学院)、2010年にビジネス・ブレークスルー大学経営学部(以下、BBT大学)を開学。また、2013年以降はインターナショナルスクール運営会社(学校名:アオバジャパン・インターナショナルスクール(以下、A-JIS))を子会社化するなど若年層、対面型教育サービスにも展開し、1歳の幼児から社会人までをカバーする「生涯教育プラットフォーム」を構築。経営ミッションである「世界で活躍するグローバルリーダーの育成」に取り組んでいる。

1. 2018年3月期第2四半期累計業績は過去最高を更新
2018年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.2%増の2,545百万円、営業利益が同47.8%増の308百万円となり、売上高は半期ベースで7期連続の過去最高を更新、営業利益も2期ぶりに過去最高を更新した。「A-JIS」を中心としたプラットフォームサービス事業が、前期に新規開設した「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」2拠点の本格稼働もあり、売上高で前期比15.9%増、セグメント利益で同61.2%増と大きく伸長したことが主因となっている。また、もう一方の主力事業であるマネジメント教育サービス事業は、BBT大学の春期新入生が減少するなど一部の個人向け教育サービスが軟調に推移したことにより売上高で前年同期比3.1%減となったものの、法人向け教育サービスの拡大や業務効率の改善に取り組んだことでセグメント利益は同56.7%増の156百万円となった。

2. 2018年3月期業績は期初計画を据え置くも利益は保守的な印象
2018年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比12.5%増の5,536百万円、営業利益が同20.8%増の407百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期までの進捗率を見ると、売上高が46.0%、営業利益は75.8%となっており直近3年間の平均(売上高49.2%、営業利益64.7%)と比較すると、売上高の進捗がやや遅れている。一方、営業利益に関しては進捗率が高く、計画の達成は十分可能と弊社では見ている。プラットフォームサービス事業では、「A-JIS」を中心に9月末の生徒数が約800名と前年同期比1割強の伸びとなっており、引き続き収益をけん引していくものと予想される。下期は2018年4月に新規開校予定の「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール 三鷹キャンパス」に関する開設費用約40百万円を計上する計画だが、他のスクールの増収効果で吸収する。なお、三鷹キャンパスの入学申込件数は当初計画のとおり進捗しており、順調な立ち上がりが見込まれている。

3. プラットフォームサービス事業と法人向け教育サービスに注力
同社は今後の成長戦略として、プラットフォームサービス事業では今後も年1~2校ペースでプリスクールを増やしていき、学校運営事業として現在の2倍以上の規模に拡大していく方針となっているほか、国際バカロレア(IB)※認定校として蓄積してきたノウハウをプラットフォーム化し、グローバル教育に関心を持つ教育機関に提供することにより、国内のIB教育の普及と教育のグローバル化を支援するサービスの提供を、2年後を目途に展開していきたい考えだ。一方、法人向け教育サービスに関しては、企業におけるグローバル人材の育成ニーズが高まるなかで、遠隔型、集合型の両サービスを提供できる強みを活かしながら、一段の営業体制強化を図ることで、事業規模の拡大を推進していく戦略だ。

※国際バカロレア…インターナショナルスクール等の特定の国の学習指導要領や教育制度にのっとらない教育機関の卒業生に対して、国際的に認められる大学入学資格を与え、大学進学へのルートを確保するとともに、学生の柔軟な知性の育成と、国際理解教育の促進に資することを目的として1968 年に発足した国際機関。スイスに本部を持つ。年齢別にPYP(初等教育プログラム:3~12歳)、MYP(中等教育プログラム:11~16歳)、DP(ディプロマ資格プログラム:16~19歳)の3つに区分されている。生徒は、各学校でDP課程の修了後、国際バカロレア協会が実施する統一試験に合格することでディプロマ資格を得ることになる。2017年6月1日現在の認定校は世界140以上の国・地域で4,846校、うち国内は46校。PYP、MYP、DPのすべてのプログラムの認定を取得している学校は国内で7校となる。また、国内の大学で37大学がIBを活用した入試を導入している。

■Key Points
・1歳幼児から社会人まで対象の「生涯教育プラットフォーム」を構築
・マネジメント教育サービス事業のコスト改善効果とプラットフォームサービス事業の増収効果で両セグメントとも2ケタ増益に
・プラットフォームサービス事業と法人向け教育サービスの成長ポテンシャルは大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 BBT Research Memo(1):2018年3月期も過去最高業績の更新続く