a) 母材のねじ穴補強部品「タングレス・インサート」 「タングレス・インサート」は、アルミなどの軟らかい母材のねじ締結部分を補強する部品である。航空機では、アルミニウムやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの軽量母材がねじ穴の補強を必要とし、1機当たり数万から数十万個が使用される。航空機市場では、タングレス・インサートが従来品の市場を奪うことでシェアが拮抗するまでに浸透してきた。英国子会社は、航空機メーカーが部品メーカーなどに取得を求めている品質マネジメントシステム規格であるAS9100を取得している。タングレス・インサートは多くの特長を有することから、従来品より高い値付けがされている。しかし、材料の投入量や製造工程数が従来品と比べて多いわけでないため、収益性の高い製品となっている。今後も、タングレス・インサートのシェア拡大が見込まれる。
b) ボルト・ナット脱落防止部品「ロックワン」 住設/インフラ分野で期待されているのは、ボルト・ナットの脱落防止スプリング「ロックワン」である。ターゲットとする市場は、鉄道、マンションなどの建築物、高速道路、電力などである。いずれも認証手続きを踏まえなければならず、導入されるまでに時間を要する。地下鉄での導入が既に始まっている。販路に関しては、各市場の専門商社を活用することになる。