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1月17日-19日「スマート工場EXPO」が、ビッグサイトで開催される。
主催者のリードエグジビションジャパンは、”スマート工場とは、高度なファクトリーオートメーションに加えて、工場内のあらゆる機器/設備 あるいは工場と工場を通信で常時つなげ、IoT化することで生産革新を実現する次世代型の工場のこと。”とその定義を表現している。
IoTという流行り言葉に集約するその説明では、不十分だ。IoT化は、あらゆる企業がデジタル時代の改革に取り組まなければならない時代のほんの一局面でしかない。これからの企業収益に貢献するキーワードは、「デジタル時代の営業改革、製造改革、物流改革」だ。
IoTもAIも単なるツールであり、使い方の議論をする前に、何が課題で、何を改革したいのか、の経営方針の議論が先決だ。
“製造業で何を改革したいのか”を明確に打ち出し“スマート工場を目指す”会社をあげてみる。
・日本電産<6594>は、“何をしたかったか”が明快だ。それは“人員削減”!去年の8月、”アジアの生産拠点をスマート工場化して、わずか1年強で約8万人を約4万8000人に大幅人員削減した“と発表した。その削減の全てがAI/IoTによるものとは言えないのは明らかだが、とにかくこれは間違いなく収益改善につながるだろう。
・アマダ<6113>は、昨年9月に岐阜県で金型の新工場を稼働させた。大きな目標は、”納期半減”だった。顧客の発注からアフターサービスまでをIoT技術でつなぐ新システムを開発し、品質上最も重要な金型の寿命の管理までも可能となった。これは、金型を使う顧客の強力な支援になる。
・キューピー<2809>は、画像処理技術の機械化で解決できなかったベビーフード用のポテトの不良品検知に注目した。増産のボトルネックであるその課題をAI導入で解決した。1日100万個以上のポテトをさばくため、検知能力を高めていく“ディープラーニング”を実用化したのだ。 現場と品質を重要視するキューピーの素早い動きだ。
上記の例では、いずれも、まず経営陣が収益改善のための課題を明確化して、そのピンポイントの課題解決のために投資し、IoT, AI技術を駆使した改善を図っている。それが、スマート工場への近道だ。
AI/IoTソリューション会社は、そのセミナーで時代に遅れるなと脅しながら、工場全体の夢のシステムを示し、顧客工場の大きな投資を期待するかもしれない。 でも、選択できるIoT/AIのツールとインフラはすでに揃っている。
従来の製造業だけでなく野菜も食品もスマート工場化できる。工場の真の課題が明確であれば、その課題を最小限の投資で解決出来る (スマート工場にできる) 良い時代になった。それだけに、その「デジタル時代の製造改革」への着手が遅れた会社は、競争力を失っていくだろう。
執筆者名:三竿郁夫 IA工房代表
ブログ名: 「IA工房」
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