■今後の見通し

2. 事業の動向について
(1)自動車部品事業
自動車部品事業の売上高予想が12.1%増の47,500百万円となっているが、これは2017年3月期ASSA ABLOY ABからの事業取得に伴う増加が今期フルに寄与することが主因。既存の自動車部品事業については控え目な見通しを立てている。現状、米国自動車販売についてトランプ政権のメキシコ政策の影響を懸念していたものの、上期は堅調な推移を見せ、多少の減速感があるものの通期で増収を維持できる見通し。中国は優遇税制の適用縮小から全体では伸びが鈍化も、日系自動車各社は高い伸びを確保しており、人件費増により利益圧迫懸念があるものの売上の伸びは維持するだろう。また今回事業取得で顧客に加わったVWグループ向けはディーゼル車の不正問題があったなかでも健闘しており、ASSA ABLOY ABからの事業取得の初年度の数字としては満足できる推移をたどっている。このため、アルファ<3434>の自動車部品事業の収益計画は全体として控え目な数字と判断できる。

(2)セキュリティ機器事業
セキュリティ機器事業については新製品の投入もあり、引き続き電子錠の拡大が見込まれる。現状、電子錠の普及は3%でしかなく、既存のメカ式鍵にも対応できるedロックが賃貸用向けに着実な伸びを続けている。また宅配での再配達削減に向けた取り組みが急務となっており、IC カード対応コインロッカーを宅配物の受け取りサービス向けに対応する。具体的に子会社の(株)アルファロッカーシステムが5月より宅配便受取り対応の駅用コインロッカーを発売、今後、同分野が大きく拡大する可能性も出てきた。このため、セキュリティ機器事業もさらなる収益拡大が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 アルファ Research Memo(6):自動車部品事業は欧州事業がフル寄与、セキュリティ機器事業は全般的に拡大