■アドバンスクリエイト<8798>の業績動向

3. 財務状況と経営指標
2017年9月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比755百万円増加の7,716百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では売掛金が284百万円減少した一方で、現預金が254百万円、未収入金が825百万円増加した。未収入金の増加は債権流動化を進めたことが主因となっている。また、固定資産では減価償却の進展に伴い有形固定資産が90百万円、無形固定資産が110百万円それぞれ減少した。

負債合計は前期末比744百万円増加の3,138百万円となった。従業員持株会支援信託ESOPの再導入に伴い有利子負債が88百万円増加したほか、未払法人税が193百万円、未払金が296百万円それぞれ増加した。また、純資産は前期末比10百万円増加の4,577百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益742百万円を計上した一方で、配当金の支払いで518百万円、ESOPの再導入に伴う自己株式の増加254百万円が減少要因となった。

経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は前期末の65.5%から59.3%に低下し、有利子負債比率は同11.2%から12.1%に上昇するなど若干指標面では悪化したものの、健全性は十分保たれている水準にあると判断される。また、収益性指標については売上高経常利益率が前期の12.7%から12.6%に若干低下したものの、ROAは12.9%から14.0%に、ROEは12.4%から16.2%にそれぞれ上昇しており、ここ数年低下傾向が続いていた収益性についても底打ちする兆しが見えてきたと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



<MH>

情報提供元: FISCO
記事名:「 アドクリ Research Memo(4):財務状況は健全な水準で、収益性は底打ちの兆し