■業績動向

2. マーケット別動向
Digital Electronicsの売上高は前年同期比7.6%(4,598百万円)増の64,742百万円となった。前年同期と比べて変動が大きかった製品分野のうち、黒物家電は3,522百万円の増収となった。内容はテレビ、モニター用の大型液晶パネル向け部材が中心とみられる。テレビ、モニターでは有機EL等新型表示装置への代替は中小型ほど差し迫った状況ではないため、エレマテック<2715>の中では成長が続いている。TOY・ホビーはゲーム機の販売台数増加により同社からの部材供給も増加して増収となった。モバイル端末は一部部材の需要回復が見られたものの、供給先企業の端末の販売台数が落ち込み、同社も減収となった。

スマートフォンやタブレット等で利用される中小型液晶パネルを対象とする“液晶・TP・BL”(TP:タッチパネル、BL:バックライト)は、前年同期比ほぼ横ばいだったとみられる。スマートフォンへの有機ELパネルの採用の動きなどを受けて、減収する見通しで臨んだが、今第2四半期は予想以上に健闘した。ただし有機ELの影響は今下期から本格化するとみられるので油断はできない。

Automotiveの売上高は前期比26.7%(2,303百万円)増の10,926百万円となり、全社売上高に占める構成比は10.5%と初めて大台を超えた。自動車ヘッドライト部材、自動車内装用化粧板、センサー類など、様々な商材が数千万円~数億円ずつ着実に増収となり、セグメント全体の増収額を押し上げた。自動車関連のビジネスはモデルチェンジサイクルを見据えて先行きが読めるものも多いが、同社の場合も、中期的な収益見通しに対して、ほぼ計画線で順調な成長トレンドを歩んでいるもようだ。

Broad Marketは様々な市場向け商材を集約しているが、今第2四半期の売上高は前期比8.6%(2,264百万円)増の28,466百万円となった。市場分野別では、産業機器等、OA機器などで大きく増収となり、インフラ・エネルギーが減収となった。産業機器等の中身は、かつてはモバイル端末の振動用モータ用部材が中心だったが、今第2四半期はいわゆる産機・FA関連メーカー向けの部材供給が増加した。OA機器は従来と同じくMFP(多機能プリンター)向けローラー部材が伸長した。インフラ・エネルギーの減収は太陽光発電向けビジネスの縮小に伴うものだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 エレマテック Research Memo(6):Automotiveが伸長し売上構成比10%を突破