b) 大きな潜在需要が見込まれるセルフストレージ 「セルフストレージ」とはレンタル収納スペースの総称であり、今後個人利用の大きな拡大が見込まれている。個人利用では主に家財・日常使用頻度の低い物品の保管などに利用される。遺品の保管や、都心の狭小住空間を補完する収納空間としての需要が増えてきており、また引越し・移転や離婚時の一時的な荷物保管としてのニーズも大きい。 このように個人の潜在需要が大きく見込まれるため、物件供給やサービスの普及に合わせて市場の急拡大が予想されている。セルフストレージ市場は、ここ数年毎年約10%の伸びで拡大しており、2016年度の市場規模は652.6億円が予想(出所:矢野経済研究所 「レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム市場に関する調査(2016年)」)され、これに前述の伸び率が続くと2020年度には800億円に達すると推計される。
c) 遅れている日本での普及セルフストレージの利用が既に普及している米国では約10世帯に1室の利用があるのに比べ、我が国では約130世帯に1室程度の供給しかないのが現状である。米国に比べ狭小な住まいが多い住宅環境に鑑みれば日本の方が高い普及率となる可能性は高く、潜在需要は大きいと言える。
b) 実務を代行するビジネスソリューションサービスパルマはまずビジネスソリューションサービスとして、セルフストレージのエンドユーザーからの問い合わせ・申し込み・解約を事業者に代わって受け付ける。日々の集金・決済手段提供、入金管理、滞納保証・管理はもちろんのこと、さらには物件の巡回清掃までの実務を一手に引き受けている。事業者は、数多くのエンドユーザーへの個別対応や、小口入出金の多い資金管理を一括してアウトソースできる。また滞納物件の収納物処分などの滞納者管理や滞納保証のサービスも受けられる。2017年9月期には「原状回復保険」や「施設営繕サービス」などの新サービスが投入され、多様なニーズをカバーする体制を整えている。既に相応の受託シェアを有する同社のビジネスソリューションサービスは効率的なオペレーションを提供できていることから、競争力が非常に高く、順調に業績を拡大している。同社のBPOサービスの受託件数は63,296室(2017年9月期末)であり堅調に増加している。
c) デファクト化しつつあるITソリューションサービスITソリューションサービスでは、予約決済在庫管理システムの運営とWeb集客サイトの管理運営代行をしており、事業者の効率的な事業運営をサポートしている。予約決済在庫管理システム「クラリス」の登録室数は約3.7万室に達し、集客サイト「クラギメ」の登録室数は約23.3万室と、いずれも国内最大級のITインフラとしてそのプレゼンスを高めている。このように既にシェアの高いセルフストレージ事業者向けのIT営業支援ツールのデファクト化がさらに進めば、セルフストレージ市場での同社の存在感はますます高まっていくだろう。