■今後の見通し

2. 2019年3月期の考え方
2019年3月期は新中期経営計画の初年度に当たる。業績予想の数値は2018年5月の決算発表を待たねばならないが、方向性としては、増収増益の収益計画になると弊社ではみている。

ブランド製品について、ワコム<6727>は2年~3年のサイクルで新製品を発表してきた。同社は2017年3月期から2018年3月期にかけて、多数の新製品を投入してきており、2019年3月期は回収期に当たる。欧州地域でのマーケティング戦略などの課題を着実に克服できれば、本質的な同社のブランド力・製品競争力には変化がない以上、着実に増収増益を達成できると弊社ではみている。

テクノロジーソリューション事業は、前述のように、顧客企業の事情に翻弄されやすいという本質的なリスクが存在する。この点は否定できないが、一方で、デジタルペン・デジタルインクに期待される役割や、それらが有する機能への期待値は着実に高まっている。2018年3月期第2四半期決算で見られたデジタルペンに対する意識の変化は2019年3月期以降も継続すると考えられ、それが同社のテクノロジーソリューション事業の成長につながるとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ワコム Research Memo(14):2019年3月期は新製品投資の回収期。パーツ供給も成長期待で増収増益を見込む