■業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) Object Browser事業
Object Browser事業の売上高は前年同期比2.0%減の319百万円、営業利益は同7.3%減の193百万円となった。「SI Object Browser」シリーズについては、ソフトウェア開発の生産性を向上させるツールとして既に業界デファクトスタンダードとなっており、累計約1.6万社に導入されるなどシステムインテグレータ<3826>の安定収益源となっており、当第2四半期累計売上高も前年同期比横ばい水準となった。一方、「OBPM」については発売以来、認知度向上とともに導入社数が順調に拡大したが(前期末の140社超から当第2四半期末は150社超)、オンプレミス型での新規販売件数が一時的に減少したことにより、前年同期比では若干減収となった。ただ、前期末より投入した機能限定版となる「ライト版」や「エンジニアリング版」等が製造業界向けに数件程度の新規契約を獲得しており、順調な立ち上がりを見せている。「OBDZ」については引き続き機能改善を図りながら販売拡大に取り組んでいるが、導入社数ではまだ20社前後と少なく、業績に与える影響は軽微となっている。

利益面では減収による粗利益の減少に加えて、前期は抑制していたネット広告などマーケティング費用の増加が減益要因となった。

(2) ERP事業
ERP事業の売上高は前年同期比7.9%減の846百万円、営業利益は同111百万円増加の120百万円となった。自社開発した「生産管理アドオンモジュール」の受注販売が製造業向けに拡大したほか、「OBPM」との組み合わせによるIT関連企業向けの「ITテンプレート」の導入も進んでいる。また、前期からサービスを開始したアマゾンウェブサービス(AWS)を使ったクラウドベースのサービスも既に数社で稼働事例が出始めており、顧客ニーズの多様化にも対応している。

ただ、2017年2月期に発生した不採算プロジェクトの収束に取り組むため、営業活動が十分できなかったことや、受注プロジェクトの大型化が進み2018年2月期はこれら大型案件の売上計上時期が下期に集中することなどが減収要因となっている。利益面では、前述したとおり受注損失引当金の減少が増益要因となった。

(3) EC・オムニチャネル事業
EC・オムニチャネル事業の売上高は前年同期比10.4%減の293百万円、営業利益は同117.2%増の78百万円となった。国内EC市場の拡大が続く一方で、ECサイト構築パッケージについても参入ベンダーが増加し、競争が激しくなっており減収傾向が続いた。一方、利益面では受注段階から開発要件を選別し、高付加価値を実現する方針にシフトしたことから、プロジェクトの粗利益率が大幅に向上している。また、オムニチャネル対応の統合管理分析クラウドサービス「SOCS」からの撤退を決めたことによる開発費用の減少も増益要因となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 システムインテ Research Memo(4):すべての事業セグメントで減収増益に