■要約

丸運<9067>は、JXTGホールディングス<5020>グループに所属する運送会社である。事業所は71ヶ所、保有車両台数は1,867台、関連会社は19社を数える。

全国津々浦々に運送、保管などの拠点をネットワークとして張り巡らせているが、国内のみならず国際貨物事業として海外にも拠点を有している。丸運国際貨運代理(上海)有限公司 、丸運安科迅物流(常州)有限公司、丸運物流(天津)有限公司と中国に3つの拠点と、2017年8月に有限会社丸運物流ベトナムを現地法人化した。 セグメント別で見ると、JXTG系であることから、石油輸送が25.9%、潤滑油・化成品が10.2%と石油に関係するビジネスの構成比が高いのが特徴だが、最も大きいのは貨物輸送で49.9%。そのほか、国際貨物が12.5%、流通貨物が1.4%で、5つのセグメントで構成されている。石油関連の輸送の取扱いが多いことから、石油業界の再編による影響を受ける一方、運送業界においてもドライバー不足や運賃値上げ機運が台頭するなど問題が浮上しており、それらにいかに対応していくかが当面の課題だ。

2018年3月期第1四半期決算は、営業収益が前年同期比6.7%増の11,831百万円、営業利益は同83.8%増の182百万円となった。流通貨物、国際輸送などのセグメントが好調に推移したことが背景にある。2018年3月期の通期予想は、営業収益が前年同期比1.9%増の48,000百万円、営業利益が同17.9%増の1,038百万円と増収増益を確保する見通し。配当金は年8円を継続する予定だ。

中長期的な目標としては、中期経営計画を進めているほか、向こう10年についての長期的なあり方を示す 「丸運グループ長期経営ビジョン」を策定した。そこでは、今後10年間に毎年2%以上の成長を続けることを目標に掲げている。

■Key Points
・創業125年を迎える老舗物流企業
・2017年3月期第1四半期はすべての部門で増収
・「丸運グループ長期経営ビジョン」と「丸運イノベーション」を策定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 丸運 Research Memo(1):「丸運グループ長期経営ビジョン」を策定、毎年2%以上の成長を続ける