■中期経営計画と中長期の成長戦略

2. 成長戦略の詳細と進捗状況
前述のように現行の中期経営計画の成長戦略は、1)自立成長とM&Aの組み合わせによる成長、2)地域と領域の2つの軸での成長、の2つから成っている。

トラスト・テック<2154>の事業領域は国内における製造系領域と技術系領域が従来からの中核として存在しており、事業主体としては、同社本体(国内・技術系領域)とTTM(国内・製造系領域)がそれぞれ中心となっている。

国内では事業領域としてIT・ソフト開発の分野の成長性を見出し、この分野の強化が今中期経営計画の重点課題と位置付けている。ここには2015年7月に子会社化したフリーダムが位置しており、フリーダム自身が自立成長を続けているが、2017年3月にフュージョンアイを子会社化して厚みが増した状況にある。

地域という視点では、国内に対して海外が当然クローズアップされてくる。同社が海外進出を成長戦略の重要な要素と位置付けるのは、欧米先進国での市場規模が圧倒的に大きいためだ。また、地理的に近いアジアは、人口が多いことに加え、世界の製造工場として機能している現状から、潜在市場規模や潜在成長性の点で大きな魅力がある。

同社の海外展開は、東アジアで自社による展開からスタートした。アジアは人材サービス産業が未成熟なため、情報収集も兼ねて人材紹介からのスタートとなった。一方、人材サービス産業が成熟している先進国への展開が課題となっていたが、縁に恵まれてMTrecを2016年8月に買収し現在に至っている状況だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



<HN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 トラストテック Research Memo(12):海外でMTrecを買収し人材派遣事業に進出