■中長期の成長戦略

クレオ<9698>は2017年4月に持続的成長のための事業ポートフォリオの転換に着手した。安定的収益基盤の収益を生かし、長期的に大きな事業拡大の可能性があるソリューションサービス事業や、新規事業のための研究開発に投資し、長期的な成長ドライバーと成り得る事業の改革、育成への取り組みを始めた。

1. 安定事業安定的な事業基盤である受託開発事業、西日本事業、システム運用・サービス事業、サポートサービス事業では次のことに取り組み、売上拡大・収益性向上に努める。

2. 既存事業ソリューションサービス事業では、子会社の合併・再編により、各社に分散していたソリューションを集約し、トータルソリューション、クロスセルによる既存顧客の顧客単価の増加で収益拡大、利益率の向上を図る。ここでは、人事・給与システムに強みを持つアマノとの協業を全面的に生かし、他社とは異なる同社ならではの展開を図る。

3. 新規事業先端技術への取り組みを通じて、先進的・独創的なサービスを開発し、長期的にグループの新たな柱と成り得る事業を創出する。既に導入済みの人事給与・就業管理・会計ソリューションを通じて得られた各種企業のデータを分析し、改善提案を行うこと、ロボティクス・AIの技術を生かして、人手によるデータ入力作業の半自動化による負荷軽減などに取り組んでいる。海外リソースの活用、海外への事業展開や先端技術の活用など、安定的な財務基盤を生かし、M&Aなどで短期的に事業を拡大することも今後の可能性として考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 クレオ Research Memo(6):安定事業基盤の収益を生かし、既存事業強化や新規事業創出で長期的な成長を図る