2017年2月に、Public Library of Scienceより刊行されるオープンアクセスの科学雑誌である「PLOS ONE」に、九州大学と東京大学との共同論文となる「電解水素水は同水素濃度の水素水に比べHT1080細胞の細胞内活性酸素消去能が強い(和訳)」が掲載された。本論文では、電解水素水の持つ抗酸化活性の因子が溶存水素であるかどうかの検証を行った。電解水素水はこれまでの研究から活性酸素消去活性を持つことが明らかとなっていたが、電解水素水中の水素の効果について検証した報告がなかった。この度の研究では、電解水素水の細胞内活性酸素消去活性が、水素に起因することを検証するため、ヒトの培養細胞を用い、細胞内活性酸素を計測する蛍光染色法により比較した。電解水素水は、同濃度のバブリング水素水よりも細胞内の活性酸素消去活性が約5倍高い結果が出た。また、水素ガスが脱気した後でも、電解水素水の細胞内活性除去能力は約60%の活性が残った。これは、バブリング水素水の約3倍の細胞内活性酸素除去能力に相当する。電解水素水は、アルカリ性で白金ナノ粒子などの別の因子が存在している可能性が示された。一方、バブリング水素水の活性成分は溶存水素のみのため、脱気した後では活性が残っていなかった。電解水素水はバブリングで生成した水素水よりも抗酸化性が高い水であると考えられ、電気分解によって生成することが有効との結論になった。