■インタースペース<2122>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) インターネット広告事業
インターネット広告事業の売上高は前年同期比17.8%増の12,653百万円、営業利益は同7.2%増の411百万円となった。

売上高の内訳を見ると、アフィリエイト広告が前年同期比23.2%増の10,006百万円、SFAが同11.8%減の1,885百万円、その他(リスティング広告、アドネットワーク広告、その他)が同58.3%増の763百万円となり、SFAを除いて好調に推移した。SFAについては携帯電話の販売台数低迷やキャリア側で規制する動きも見られたことが減収要因となった。

アフィリエイト広告のカテゴリー別売上高の前年同期比増減率を見ると、eコマースが31%増、金融が12.3%増、サービスが45.7%増と主要カテゴリーがいずれも2ケタ増収と好調に推移した。eコマースではコスメ・健康食品が、金融ではFX関連がそれぞれ好調に推移し、サービスについては特にエステ・人材関連が大きく伸長した。一方、エンターテイメントは、主要商材のPCオンラインゲームの市場低迷が続いたことで7.9%減と縮小傾向が続いた。

また、新サービスとして2015年8月にリリースしたネイティブ広告の配信プラットフォーム「X-lift」は、大手キュレーションメディアを中心に導入メディア数が順調に拡大し、インプレッション数※も前年同期比で4倍増と大きく伸長しており増収に寄与している。

※インターネット広告がメディアに表示された回数


海外事業についてはインドネシア、タイの連結子会社、及びベトナムの合弁会社にてアフィリエイトサービスを展開し、また、シンガポールにてアドネットワーク配信サービスを行っている。アフィリエイト広告の取扱高は3ヶ国合計で前年同期比3倍増と順調に成長している。損益的にはまだ数千万円規模の損失が続いているが、前年同期比では増収効果で若干改善している。

広告プログラム数について見ると、約180プログラムと前期末の約170プログラムから増加している。タイで金融カテゴリーの取扱いを前第4四半期よりストップしたことで前年同期比では減少しているものの、ベトナムではeコマースやサービス(旅行等)、インドネシアではeコマース中心に着実に増加している。また、パートナーサイト数については3ヶ国合計で前年同期比2倍増の約5万件まで拡大した。3ヶ国とも伸びているが、特に、ベトナムの伸びが顕著となっている。ベトナムでは合弁相手先の企業もアフィリエイトサービスを行っており、運営ノウハウがあることや、本社をハノイからホーチミンに移転し、PR活動を積極的に展開したことが拡大要因となった。12月は単月ベースで一時的ではあるが黒字化するなど順調に推移している。一方、インドネシアやタイではまだアフィリエイトサービスの競合もない状況で、認知度向上のためのPR活動を続けていく段階であり、本格的に拡大していくにはもう少し時間がかかると見られる。なお、ベトナムの合弁会社については持分法適用関連会社となっており、2017年9月期第2四半期累計では7百万円の損失(前年同期は6百万円の損失)となっている。

(2) メディア運営事業
メディア運営事業の売上高は前年同期比2.9%減の326百万円、営業利益は同187.0%増の57百万円となった。売上高の内訳を見ると、Webメディア(広告収益)については「ママスタジアム」のUU数が2017年9月期第2四半期で650万を突破するなど、媒体価値の向上に伴い前年同期比25.0%増の150百万円と好調に推移した。また、コンテンツ事業についてもスマートフォン用ゲームコンテンツを中心に同23.1%増の181百万円となり、収益増に貢献した。なお、同事業全体で減収となったが、これはその他の一部商材について売上計上基準を変更(グロス表示からネット表示に変更)したことが要因で、実質ベースでは増収となっている。なお、自社メディアではペット愛好者向けキュレーションメディアの「mofmo(モフモ)」や恋愛系情報サイト「KOIMEMO(コイメモ)」、AppStore(iPhone/iPad)の世界のランキング情報サイト「AppGraphy」などを運営しているが、いずれも月間UU数は40万前後となっており広告収入としては軽微となっている。今後、コンテンツの充実を図り、UU数を増やしていく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 Iスペース Research Memo(4):エステ・人材、健康食品、金融関連を中心にアフィリエイト広告の好調が続く