■会社概要

1. 会社概要
能美防災<6744>は、各種防災システムの開発、機器の製造、設計施工、メンテナンスまでの一貫責任体制で「安全・安心」を提供する国内最大の総合防災設備メーカーである。2016年12月に創立100周年を迎えたが、防災のパイオニアとして、絶えず新しいフィールドにチャレンジしている。火災報知設備、消火設備、保守点検を事業の三本柱とするが、どの分野でも弱みのない事業体制を築いている。

1974年に、防災から防犯までの領域でトップランナーを目指すセコム<9735>と資本業務提携をし、2006年にセコムの連結子会社となった。セコムは、同社株の50.3%を所有している。

2. 沿革
元々は貿易業を営んでいたが、創業者が関東大震災を目の当たりにして防災事業に参入した。1933年に国宝として初めて三十三間堂に火災報知機を設置した。3年後の1936年に発生した三十三間堂の火災時に同社の自動火災報知機が作動し、大事を未然に防止したため、国宝に被害はなかった。同年、皇居にも自動火災報知機が設置された。1957年、戦後の南米移民船「あるぜんちな丸」に船舶用スプリンクラーの第1号を納入した。1962年には、名神高速道路の梶原・天王山トンネルに高速道路トンネル第1号として防災設備を設置した。1968年に、「霞が関ビル」に業界初の超高層ビル用防災設備を、1983年に航空機用で初めての火災センサーを販売した。1987年は、青函トンネルの防災設備と瀬戸大橋の消火設備を設置。1993年に福岡ドームの火災覚知消火システムなど3システムが、また1994年に恵比寿ガーデンプレイスニュースプリンクラーシステムが、それぞれ自治省消防庁長官賞受賞した。

同社の強みは、研究開発からメンテナンスまでの一貫体制にある。研究開発では、豊富な実験経験により蓄積された火災に関するノウハウを活かしている。2010年に、埼玉県三郷市に研究開発センターを開設した。新たに、メヌマ工場(埼玉県熊谷市)に研究・PR実験棟を建設中で、2017年8月に稼働する予定だ。また、生産機能を強化するため、メヌマ工場の近傍に新たに土地・建物を取得しており、こちらも2017年8月に稼働する予定。業界初の製品を市場に供給し続け、防災業界をけん引している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 能美防災 Research Memo(2):開発からメンテナンスまでの一貫責任体制