■業績動向

2. 2017年春の合格実績とその反響
早稲田アカデミー<4718>が経営指標として重視する合格者実績数については、中学、高校、大学受験ともに2017年春は好成績を残した。特に、中学受験における男女御三家中学の合格者実績は過去最高の385名と想定以上の結果となった。教務力向上を目的とした指導マニュアルの整備や従業員研修の強化に取り組んだことや、進学情報のタイムリーな提供並びに保護者会の充実など、顧客ニーズに適ったサービスを全社統一的に提供する体制を整えてきたことが好結果につながったと見られる。男女御三家合格者数ではSAPIXが832名とまだ倍以上の開きがあるが、同社では2020年に550名を目標に、更なる教務力の向上に取り組み、将来的に業界No.1を目指していく考えだ。

また、高校入試については引き続き早慶付属校の合格者数で1,459名と業界No.1を維持し、安定した強さを見せたほか、国立難関4校(筑駒、筑附、学芸大附、御茶ノ水附)についても2016年の166名から2017年は212名と大幅に伸長するなど好結果となった。

こうした合格実績は新規生徒の獲得に影響を及ぼす。実際、3月以降の入塾に関する資料請求件数の対前年同期の伸び率を見ると、全学部合計で3月は約2割増となっているのに対して、小学部に関しては40%以上の伸びとなっている。中学受験の好結果が週刊誌やインターネットの口コミなどで広まったことが影響していると見られる。また、4月後半以降に関しては更にその伸びが加速している。これは、4月から人気タレントの芦田愛菜さんを広告宣伝に起用した効果が大きいと見られる。本人も、2017年春に難関中学に合格したことから、宣伝効果も絶大だ。今後はテレビCMなど各メディアでも積極展開していく予定になっており、2018年3月期の生徒数は小学部を中心に例年以上の伸びが期待できると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



<TN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 早稲アカ Research Memo(4):高い合格実績と人気タレントの広告起用により問合せ件数が急増中