■業績動向

3. 財務状況と経営指標
デジタルアーツ<2326>の2017年3月期末における総資産は前期末に比べ1,247百万円増加し7,380百万円となった。内訳を見ると、 流動資産が事業拡大に伴う現金及び預金や売掛金の増加などにより前期末に比べ1,113百万円増加した。 加えて固定資産が無形固定資産の増加などにより同134百万円増加した。

負債は、主に未経過保守売上による前受金の増加や、未払法人税等の増加などから前期末比619百万円増加し2,110百万円となった。 純資産は前期末に比べ628百万円増加し5,270百万円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加による。

キャッシュ・フローの状況について見ると、2017年3月期末の現金及び現金同等物は前期末比855百万円増加し3,298百万円となった。営業キャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益1,802百万円、減価償却費523百万円の計上などにより2,012百万円の収入となった。投資キャッシュ・フローは無形固定資産の取得619百万円などにより671百万円の支出となった。また、財務キャッシュ・フローも、自己株式の取得による支出300百万円、配当金の支払249百万円などにより503百万円の支出となった。

経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率は事業拡大に伴う総資産の伸びが純資産の伸びを上回ったため70.2%と前期比でやや低下したほか、流動比率も260.2%と低下した。しかし、いずれの指標も高い水準を維持し、有利子負債もない状況であり、健全性の問題はない。収益性を表すROA、ROE、営業利益率は、先行投資の負担を吸収し、さらに高い水準に向上している。潤沢なキャッシュも保有し、機動的なM&Aなどの成長投資を行うことが可能な財務状況である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 デジアーツ Research Memo(7):自己資本比率は70%以上を維持、潤沢なキャッシュでM&A等成長投資へ備える