■業績動向

1. 2017年3月期決算の概要
SDエンターテイメント<4650>の2017年3月期決算は、売上高8,281百万円(前期比1.0%増)、営業利益188百万円(同42.4%増)、経常利益52百万円(前期は34百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益20百万円(前期は94百万円の損失)と、増収増益(経常利益以下は黒字転換)で着地した。

期初予想との比較では、売上高は6.9%、営業利益は44.7%、それぞれ予想を下回った。第3四半期決算の時点で、第3四半期までの進捗率が低いため、通期予想の達成のハードルは高いとみられていた。第4四半期単独期間では、売上高が前年同期比1.9%増、営業利益は同140.5%増と盛り返し、特に利益面では第3四半期の営業損失15百万円から営業利益153百万円へと黒字転換を果たしたが、通期予想には及ばなかった。

同社は第1四半期において市場調査、外部コンサル導入、人材教育、賃料削減交渉、赤字ゲーム店舗の減損計上など、各種の先行投資(“タネ蒔き”)を行い、閑散期の第2四半期は諸施策の定着(“水やり”)に充当し、第3四半期から“収穫”に入るというスタンスで臨んだ。しかしながら第3四半期は主力事業の1つであるボウリング事業が天候要因から計画を大きく下回ったほか、GAME事業でもネットキャッチャーが事業モデルの見直しを迫られて営業赤字に転落した。第3四半期累計期間の利益の進捗は非常に低いレベルではあったが、ボウリングとGAMEの両事業を除いては順調な進捗であり、内容的に決して悪くない決算だというのが弊社の評価だった。

その後、第4四半期単独期間にあっては、天候も含めて例年どおりの事業環境となった、そうしたなかで、フィットネス事業、GAME事業、ボウリング事業の主力3事業が前年同期比で増益を達成した。加えて、今後プレゼンスが高まってくると期待されるその他事業が前四半期に続いて黒字となり、黒字体質が定着したことを確認できた。第3四半期決算では収益力の向上を感じ取ったが通期決算ではそれが確信に変わったという、変化を明確に感じ取れた1年であった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 SDエンター Research Memo(3):第3四半期の天候要因などで予想を下回ったが、収益力の向上が感じられた決算