■業績動向と中期計画

2. 2018年3月期会社連結業績予想
クイック<4318>の2018年3月期の会社連結業績予想は、売上高16,100百万円(前期比10.4%増)、営業利益2,170百万円(同8.6%増)、経常利益は2,250百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,550百万円(同11.4%増)。セグメント別売上高を見ると、人材サービス事業が同16.3%増の9,486百万円、リクルーティング事業が同3.8%増の3,712百万円、情報出版事業が同1.2%増の1,815百万円、その他が同3.1%増の1,085百万円で、営業利益では、人材サービス事業が同5.4%増の1,572百万円、リクルーティング事業が同3.1%減の875百万円、情報出版事業が同59.9%増の109百万円、その他が同7.4%減の168百万円。引き続き人材サービス事業が牽引すると見ており、一般企業向け専門職では同約15%増、看護師では同約10%増を見込んでいる。概ね慎重な売上高の見通しだが、それに加えて待遇改善も引き続き実施する予定で、このため営業利益の伸び率が圧縮されている。リクルーティング事業で減益を見込んでいるのは、計画には販売手数料が加味されていないため。また、メキシコにあるQUICK GLOBAL MEXICO, S. A. DE C. V.が2018年3月期より連結されるが、収支への影響額はほとんどない計画としている。2017年3月期の実績を鑑みると、保守的な計画と言えるだろう。

●積極的に投資を行う姿勢
同社は、積極的に投資を行う姿勢を堅持している。M&Aについては、かねてから積極的に実施したいと述べていたが、企業や事業の取得だけにとどまらず、待遇改善も含む人的投資についても2017年3月期に実行した。同社の事業特性上、人材サービス事業などで主軸となる高品質で稼げる人材は必要時にすぐに得られるものではない。同社は人員増とともに、働き方改革や賃金増を含む待遇改善に積極的に投資していく方針で、それが2018年3月期予想において利益圧縮要因となっているものの、長期的に見れば必要不可欠であると弊社では考えている。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 クイック Research Memo(4):引き続き保守的な計画、待遇改善も継続して実行