■業績動向

1. 2017年3月期の業績概要
エー・ディー・ワークス<3250>の2017年3月期の連結業績は、売上高で前期比20.6%増の18,969百万円、営業利益で同19.8%増の1,040百万円、経常利益で同15.0%増の748百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同26.6%増の540百万円と2ケタ増収増益となり、2期連続で過去最高業績を更新した。また、期初会社計画比で見ると、経常利益が計画の800百万円から748百万円と下振れた格好となっているが、これは固定資産売却益86百万円について、営業利益段階ではなく特別利益として計上したことが要因となっており、これを含めれば835百万円となり計画を若干超過したと言える。

同社が営業エリアとする首都圏の不動産市況は引き続き堅調に推移しており、積極的な収益不動産残高の積上げを進めたことで、賃料収益を主とするストック型フィービジネス事業が好調に推移したほか、米国市場での収益不動産事業が本格的に立ち上がり利益貢献を始めたことが増収増益要因となった。なお、期末の収益不動産残高は前期末比39.6%増の20,318百万円となった。


2. 2018年3月期の見通し
2018年3月期の業績は売上高で前期比5.4%増の20,000百万円、経常利益で同20.3%増の900百万円となる見通し。引き続き収益不動産残高の積上げによるストック型フィービジネス事業と米国事業がけん引役となり、中期経営計画(2019年3月期に経常利益1,000百万円、収益不動産残高30,000百万円)の達成に向けて順調に推移するものと予想される。なお、2017年5月31日の公表された「フォーキャスト」においては、第1四半期の見通しは売上高5,970百万円(期初計画進捗率29.9%)、経常利益300百万円(期初計画進捗率33.4%)となっており、四半期ベースでは上場来最高益となる予想。順調なスタートを切っている模様である。

3. ライツ・オファリングの概要
2017年4月25日付で発表したノンコミットメント型ライツ・オファリング(行使価額ノンディスカウント型)は、2017年7月12日時点の株主に対して、普通株式1株に対して1個の割合で新株予約権を無償で割り当てるというもの。行使価額は39円としているが、株主総会(2017年6月29日)の前日株価が39円を下回った場合は株主総会前日株価を行使価額とする。行使可能期間は2017年7月13日から同年9月12日までとなる。新株予約権は上場されるため、行使を希望しない株主は市場で売却することも可能となっている。調達資金は収益不動産の仕入れ資金の一部として、また新規事業となる不動産テック事業の投資資金として充当する予定となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



<TN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 ADワークス Research Memo(3):17/3期はストック型フィービジネス事業の拡大などで2ケタ増収増益に