■業績見通し

2. 2017年12月期第1四半期の進捗
KLab<3656>の2017年12月期第1四半期の業績は、売上高が5,249百万円(通期予想のレンジ上限に対する進捗率23.3%)、営業利益が935百万円(同進捗率32.3%)、経常利益が1,055百万円(同進捗率38.4%)、当期純利益が689百万円(同進捗率39.4%)と順調に滑り出した。

売上高は、新規タイトルのリリースはなかったものの、既存タイトルの「スクフェス」日本語版及び「ブレソル」グローバル版の伸長により、前年同四半期比8.9%増、直前四半期比でも4.8%増と好調に推移した。前期からの運営力及びマーケティング力の精度が継続しているものと考えられる。

費用面では、売上原価率が66.0%(前年同四半期は76.0%、直前四半期は76.4%)と大きく改善した。特に、直前四半期比での改善はイベント事業関連費用の解消によるところが大きい。また、販管費率も16.1%(前年同四半期は25.5%、直前四半期は18.8%)と改善し、営業利益率は17.8%(前年同四半期は70百万円の営業損失、直前四半期は4.9%)に大きく上昇した。なお、前年同四半期からの大幅な販管費率の改善は、広告宣伝費の大幅な削減のほか、人件費の圧縮(KLab Americaのスタジオ閉鎖等)も寄与した。

弊社では、新規タイトルのリリースがなかったにもかかわらず、第1四半期が好調に滑り出したこと(高い進捗率)や、これからリリース予定の新規タイトルのうち、少なくとも「キャプテン翼」と「うたの☆プリンスさまっ♪」を題材とした2タイトルは高い確率でリリースされ、一定のヒット率は期待できるものと想定していることから、通期業績予想のレンジ上限を達成する可能性は高いとみている。むしろ、注目すべき点は、新規タイトルを何本リリースできるか、それに伴ってどこまで業績の上乗せができるかにあると捉えている。

また、中長期的には、スマホゲーム市場の先行きに不透明感があるなかで、海外への展開、残存者利益の享受(外部リソースの活用を含む)が同社の成長を支えるものとみており、その動向に注目している。また、事業の拡大や収益体質の安定化に向けて、非ゲーム事業を推進する戦略にも合理性がある。日本のIPを展開していくノウハウや独自のマーケティング力を生かして、いかに同社ならではの新たな価値を創出していけるかが成功のカギを握るだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 KLab Research Memo(12):2017年12月期第1四半期業績は順調な滑り出し