RIZAPグループ<2928>は15日、2017年3月期の連結業績を発表。売上収益で前期比76.7%増の952.99億円、営業利益で同3.2倍の102.12億円、税引前利益で同3.4倍の96.04億円、当期利益で同5.4倍の78.01億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同4.8倍の76.78億円と大幅な増収増益で着地した。なお、期末配当は従来の9.42円予定から12.10円(配当性向20.1%)へ増額する。

既存事業では、パーソナルトレーニングジム「RIZAP」を中心とした美容・健康関連事業が売上高・利益とも連結業績を大きく牽引。40店舗に上る新規出店効果や、既存ゲストからの紹介による入会促進などが奏功し、RIZAPの新規顧客が大幅に増加し、期末時点の累計会員数が7万5千人を超えた。また、継続コースであるライフサポートプログラムへの入会者数も順調に増加しており、フロー収益中心の収益構造からストック収益中心の収益構造への転換が進んでいる。顧客1人当たりの売上高・利益が拡大している。

体型補整下着を展開するマルコ<9980>は2016年7月にグループ入りした後、事業構造改革に着手し、1店舗あたりの収益改善や販管費等コストの適正化が加速度的に進んでおり、結果的に通期の営業利益が1.35億円(前年は6億円の損失)とわずか数ヶ月で7.35億円の大幅な営業増益を実現した。

また、アパレル関連事業、住関連ライフスタイル事業、エンターテイメント事業の各セグメントとも増収増益で着地した。アパレル関連事業では、夢展望<3185>が営業黒字に転換するなど、堅調に推移。同社は、RIZAPグループのなかでも特に業務改革が進んでおり、前下半期の営業利益が0.25億円(前年は2.46億円の損失)と大幅な増益着地となった。住関連ライフスタイル事業は、イデアインターナショナル<3140>がキッチン雑貨を中心にしたインテリア商品が好調に推移するとともに、トラベル商品の収益が伸長した。エンターテイメント事業では、SDエンターテイメント<4650>が、シネマ事業の好調や創業99周年プレセール企画による売上高増加により増益で着地した。

好調な業績は、グループ入りした企業の事業構造改革が順調に進捗するなど、M&A後のグループのシナジー発揮が本格的に利益面でも実現してきた証左と言えよう。
新規事業においては、2015年より開始した「RIZAP GOLF」が期待を大幅に上回る反響を得ているため、今後はこれまで以上のペースで出店を加速させる予定。
事業提携においては、2016年11月より展開しているファミリーマートとのコラボ商品やピザハットとのコラボ商品が好調な売れ行きである他、企業・病院・自治体との共同研究にも注力している。

2018年3月期の業績予想は、売上収益で前期比57.6%増の1502.02億円、営業利益で同27.4%増の130.10億円、税引前利益で同24.8%増の119.83億円、当期利益で同16.2%増の90.62億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同4.3%増の80.07億円を見込んでいる。特に営業利益に関しては、主力のRIZAP事業が大きく牽引することを見込んでいる。なお、年間配当は12.57円の予定。

RIZAPグループは、「自己投資産業でグローバルNo.1ブランドとなる。」を経営の中心に据え、中期経営計画「COMMIT2020」で掲げている21年3期の連結売上高3,000億円、営業利益350億円の目標達成を目指している。グループ経営がトップラインの拡大にとどまらず、利益成長においても加速してきたことから、中期経営計画の達成がより現実に近づいてきたと言えよう。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 RIZAPグループ---17年3月期は大幅な増収増益。RIZAP関連事業好調、上場子会社の業績改善も鮮明に