■中期成長戦略

2. ITの活用について
物流業界においてもIT化が進むなかで、SBSホールディングス<2384>もITの活用に積極的に取り組んでいる。具体的には、新規案件の獲得のためSBSグループWebサイトを立ち上げたことで、サイトを通じた新規受注件数が前期比6倍となるなど成果を見せている。

また、トラック輸送の生産性向上や顧客サービス向上につながる取り組みとして、「カスピアン・プロジェクト」(車両の動態管理)の実証試験を2016年よりスタートしている。トラックに専用端末を搭載し、車両の位置情報だけでなく空車情報や積載情報などをリアルタイムで可視化し、通信センターで把握できるネットワークシステムのことで、SBSロジコムが開発した。車両配送状況の見える化を実現し、空車の有効活用や顧客からの到着時間の問い合わせに関する対応時間の大幅短縮(顧客サービスの向上)等の効果を見込んでいる。現在、トラック貨物輸送における積載効率は4割台と低く、その能力の6割が未使用になっていると言われている。こうした非効率性を改善することによる生産性向上の効果は大きいと言える。

現在、SBSロジコムの車両1,000台を使って実証試験中だが、2017年内には協力会社のトラックへの導入も含め、5,000台まで規模を拡大し、使い勝手やシステム精度の向上に取り組んでいく予定となっている。また、将来的にはグループ外利用も視野にシェアリングエコノミーを標榜する物流プラットフォームサービスへと発展させていく構想を描いており、今後の展開が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 SBSHD Research Memo(9):輸送効率向上のための新規プロジェクトを2016年より実証試験開始