■中期成長戦略

1. 中期経営計画の進捗状況
SBSホールディングス<2384>の2014年12月期からスタートした中期経営計画では、最終年度となる2017年12月期に連結売上高で2,000億円、営業利益で80億円を目標に掲げていた。同目標値にはM&Aによる寄与で売上高450億円、営業利益18億円を見込んでいたが、前述したとおりTranspoleの買収が失敗に終わったこともあり、M&A効果は剥落する格好となった。ただ、自立成長での目標としてきた売上高1,550億円、営業利益62億円は射程圏内に入っており、現在の市場環境からすれば上回る可能性が高いと弊社では見ている。

次期中期経営計画については現在、策定を進めている段階だが、国内での3PL事業及びアジアを軸とした海外事業の展開による売上拡大と、ローコストオペレーションの徹底による収益力向上、財務基盤の強化という基本戦略は変わらない見通し。国内事業に関しては、EC市場の拡大や物流の短納期化が進むなかで、倉庫もフロア面積が大きい通過型倉庫の需要が高まっており、新規物流センターの需要は活況を呈している状況に変わりない。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、首都圏エリアでは物流量がさらに拡大することが見込まれており、同社も新たな物流施設の建設を進めていく予定となっている。

M&Aの対象としては、国内物流事業では下請けではなく、最終顧客を持っている同業他社となる。また、海外事業ではインドのAtlasの株式取得による子会社化を進めていくほか、東南アジアでは現地企業との提携や子会社化により事業を拡大していくものと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 SBSHD Research Memo(8):自立成長による中期経営計画の目標達成は射程圏内に