2016年10月に「ららぽーと湘南平塚」に出店した「MEAT COMPANY with Bellmare」もその一例となる。同店舗は湘南ベルマーレサポーターを中心としたスポーツファンの集いを創るレストランをコンセプトとして出店したが、オープン以降、客数はスポーツファンだけでなく一般客も来店するなど好調に推移し、客単価も「いしがまやハンバーグ」よりもアップしている。同店舗では「いしがまやハンバーグ」で培った店舗運営ノウハウに加えて、料理メニューも石窯焼きによるハンバーグだけでなくステーキも取りそろえたことなどが顧客支持を集めた要因と考えられる。このため、同社では同様の店舗を今下期に1店舗出店する計画となっている。同社では今後も新たな付加価値を提供できる業態開発を積極的に進めていく予定となっている。
大型商業施設を中心に展開している「いしがまやハンバーグ」やオムライス業態の「3 Little Eggs」についても坪当たり売上高が大きく、デベロッパーからの評価も高いことから、新規オープンする商業施設での出店依頼が相次いでいる。2016年6月には同社として初めてイオンモール<8905>に「いしがまやハンバーグ」を出店した。イオンモールは「ららぽーと」と比較して、平日と休日の集客数の差が激しいことや、顧客当たり売上単価が低いことから、ハンバーグ業態としてやや高めの価格設定をしている「いしがまやハンバーグ」の出店は苦戦することが想定されたが、同社ではイオンモールでも収益化できれば、施設数が全国に数多くあるため店舗数をさらに拡大していくチャンスになるとみて出店に踏み切った。当初は想定以上に苦戦し、2017年6月期第2四半期累計業績の悪化要因となったものの、集客力アップのためランチメニューを導入するなどの取り組みを行った結果、直近では黒字化するなど収益改善が進んでいる。同社ではKPIとして従業員1人当たり月額50万円の利益をボーダーラインとして、多店舗展開をするかどうかの判断材料としており、この水準を超えればイオンモールでの多店舗展開も進めていく方針となっている。