■中長期の成長戦略

5. 成長戦略:fotowa事業の拡大
『fotowa』はピクスタ<3416>が2016年2月にスタートした出張撮影マッチングサービスの名称だ。同社に登録しているフォトグラファー(登録フォトグラファー)と個人利用者をマッチングさせて利用者の望むシチュエーション(例えば七五三)において、登録フォトグラファーが撮影するというものだ。

このサービスは、撮り下ろし市場の中でも、街中の写真館における撮影の市場を対象としている。街中の写真館撮影は子供の成長に合わせた家族写真が主体であるため、“子供写真館市場”とも呼ばれている。この市場規模については、2016年において700億円弱という調査結果が出されている。

弊社ではfotowa事業が同社の収益源の一翼を担うまでに成長する可能性は大いにあると考えている。理由としては1)写真館内でのフォーマルなテイストの写真よりも、戸外などでのナチュラルなテイストの写真が好まれる傾向にあること、2)依頼主は写真の撮影データを受け取れるため、焼き増しやSNSでの利用が自由なこと、3)写真館撮影よりも割安な価格でのサービス提供が可能なこと、などがその理由だ。特に、2)については、写真館利用に対する不満の最大のものと考えられ、この点だけでも写真館から『fotowa』に乗り換える十分な動機になると考えている。

2017年12月期における『fotowa』への投資の内容は、サービスの認知度向上のための広告宣伝費の投下や、サービス提供地域の拡大(全国展開の推進)、登録フォトグラファーの教育・育成、の3点が主な内容となる見通しだ。また、プリント注文等の付加機能・サービスの充実も行われる見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



<TN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 ピクスタ Research Memo(11):ヨコ展開の『fotowa』は700億円の“子供写真館市場”を狙う施策