(1) セグメントの状況 a) リサーチ事業 リサーチ事業は、売上高が前期比3.6%増の13,372百万円、セグメント利益が同5.0%減の2,256百万円の増収減益となった。国内売上高は、9,213百万円、海外売上高は4,160百万円。国内の売上高は堅調に伸びたほか、ショッパーズアイなどの新規連結子会社による寄与もあり増収に貢献した。ショッパーズアイは2016年4月より営業を開始、同社は覆面調査サービスの提供開始と10万人の自社パネルを獲得しリサーチ事業の拡大は続いている。海外リサーチ事業については、2016年から営業を開始した米国とタイの拠点の立ち上がりは順調だったが、為替の影響や、前期と比べて一部の国と地域で経済環境があまり良くなかったことなどから、減収での着地となった。なお、同社は連結業績に対する為替感応度を1米ドル当たり1円の変動で売上高4200万円、利益300万円の変動と見ている。同社の海外事業はまだ発展途上であること、また多くの国に及ぶため、単一の通貨による収支影響は大きく受けにくい構造となっているようだ。セグメント利益は、先行投資等の影響もあり減益となった。
b) ITソリューション事業 ITソリューション事業の売上高は前期比11.9%増の1,907百万円、セグメント利益は同8.8%減の175百万円となった。システム開発・保守を行うクロス・コミュニケーションは順調に成長、また2015年12月期に株式取得したエンジニア派遣を行うクロス・ジェイ・テックの通年寄与があり、大きく増収となった。利益面では、中期的な成長のための人材採用を先行したのに伴い費用が膨らんだため減益での着地となった。
c) その他の事業 その他の事業では、売上高が前期比172.7%増の690百万円、セグメント利益は74百万円(前期は55百万円のセグメント損失)となった。UNCOVER TRUTHの増資により第4四半期から持分法適用会社となったが、プロモーション事業を行うディーアンドエムの立ち上がりが順調でディーアンドエムの売上高は同約700%増となるなど大幅増収となった。ディーアンドエムは、リサーチ事業におけるノウハウを生かし、プロモーションサービスを本格展開。2015年7月より営業を開始しており、現在は順調に顧客を開拓し売上げを拡大している。