■RIZAPグループ<2928>の業績動向

2. 四半期ベースでの業績推移
四半期ベースの推移を見ると、2017年3月期第3四半期単独期間の収益は売上収益24,218百万円(前四半期比11.7%増)、営業利益1,607百万円(同39.7%減)、税引前利益1,492百万円(同39.1%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益819百万円(同48.6%減)となり、前年同期比では増収増益ではあるが、前四半期比較では増収減益となっており、成長の勢いが鈍った印象を受ける。

四半期ベースでのセグメント別営業利益を見ると、美容・健康関連事業のセグメント営業利益が、第3四半期単独期間は1,108百万円と、前四半期の3,285百万円から3分の1近くまで急減したことが全社ベースの四半期営業利益の減少の主原因であったように見える。

しかしながら、実体はそうではない。美容・健康関連事業セグメントの第2四半期の営業利益は、マルコの買収に伴う負ののれん2,326百万円によってかさ上げされていた。反対に第3四半期の営業利益にはマルコの第3四半期の営業損失(364百万円)の分だけセグメント営業利益が押し下げられ第2四半期と第3四半期の差が強調された形となった。同様に、第1四半期においてはエンターテイメント事業とアパレル関連事業の両セグメントで負ののれんによる利益押し上げ要因があり、全社ベースの利益が大きく伸びた。

こうしたのれんの影響や新規連結企業の業績影響を取り除いたベースで見ると、主力のRIZAP事業の収益は依然として高成長が続いているほか、過去M&A企業の業績も、赤字から黒字への転換や黒字幅の拡大のケースが目立っている。四半期ベースでの利益成長モメンタムは依然として続いている。

同社のM&Aは、業績低迷に苦しむ企業を割安な価格で買収し、同社の持つ広告宣伝のノウハウやグループ企業各社とのシナジー効果を活用して復活させてバリューアップを図ることにある。それゆえ負ののれんが発生することもあるがそれは一時的なことであり、赤字企業を安定的な黒字体質の企業へと改善することにこそ意義がある。

同社は2017年3月期第3四半期決算において、主要なグループ企業について第3四半期単独期間(2016年10月-12月期)の営業利益の状況を公表した。それによると、主力のRIZAP(事業会社)は前年同期比で大幅増益となっているほか、夢展望、馬里邑が黒字転換を果たすなど大きな改善がみられた。また、黒字幅を増大させた企業も目立ち、順調に進捗している企業が多いことがわかる。

この第3四半期にみられた収益改善が2017年3月期第4四半期以降も定着し、2018年3月期は1年を通じて黒字が達成されていくことこそが、同社にとっての真の成長戦略の具現化であるというのが弊社の理解だ。詳細は後述するが、同社自身もこの点を重要な経営課題と位置付けるとともに、その実現に強い自信を見せており、2018年3月期の主要な増益ファクターと期待している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 RIZAPーG Research Memo(5):四半期ベースでの利益成長モメンタムは継続中