2. 沿革 同社は米国Control Data Corp.の日本法人である日本シーディーシー株式会社が、1985年4月にリモート・コンピューティング・サービスを目的としてサイバーネットサービス事業を分離、独立させることにより設立された。1989年4月に神戸製鋼所<5406>が全発行済株式を取得し子会社化したが、神戸製鋼所が事業を再構築した1999年10月に富士ソフトABC(株)(現富士ソフト)へ売却され、100%子会社となった。その後も主力商品の「MATLAB」(マットラブ)、「ANSYS」(アンシス)などCAEソフトウェアの普及につれ、業績が順調に拡大してきている。2001年10月にJASDAQ市場に株式を公開し、2003年8月に東京証券取引所市場第2部へ上場し、2004年9月には同市場第1部へ指定替えされた。
東証1部上場後は、国内においては2005年4月に(株)ケイ・ジー・ティー(高度な可視化技術とネットワーク関連のソフトウェアを保有)、同年8月に(株)プラメディア(プラスチックCAE事業を専業とする)を相次いで子会社化し、CAE事業の補完・増強を図っている。さらに、2006年5月に(株)京浜アートワーク及び(株)EDAコネクトの営業の全部を譲り受け、エレクトロニクス分野の事業領域を拡大した。一方で日系、外資製造業の中国進出が進むなか、CAEに関する技術力を活かし、中国においても日本と同レベルの技術サービスが提供できる環境を用意するため、2004年12月に西希安工程模擬軟件(上海)有限公司を設立(2013年12月期に莎益博設計系統商貿(上海)有限公司に経営統合)し、CAEに関するコンサルティング、受託解析、教育等の技術サービスの提供を開始した。また、2006年8月に、EDAビジネス拡大戦略の一環としてEDAに特化した莎益博設計系統商貿(上海)有限公司(現:莎益博工程系統開発(上海)有限公司)を設立した。2008年7月には台湾での事業立ち上げを目的として台湾のタ思科技と合弁で光学系、電気・電子系を中心に制御系、数式処理系等のCAEソリューションサービスを展開する思渤科技股フン有限公司を設立した。さらに、2012年3月にCybernet Systems Korea Co.,LTD.を設立し(2015年6月にビジネス戦略見直しのため清算)、アジア地域の拠点設置、拡充に注力する。
2009年7月に「MATLAB」の販売代理店業務が開発ベンダーの日本法人へ移管されると、以降は自社製品のウエイトを高める戦略に転換した。2009年7月に米国Sigmetrix,L.L.C.(以下、Sigmetrix:公差※1解析ソフトの開発、販売、コンサルティングを行う)を子会社化したのに続き、2009年9月にはカナダWATERLOO MAPLE INC.(以下Maplesoft:対話的な数式処理ソフト(STEM※2コンピューティング・プラットフォーム)である「Maple」やシステムレベルモデリング・シミュレーションツールの「MapleSim」などを開発、販売する)を、さらに2010年7月にはベルギーNoesis Solutions NV(以下、Noesis:PIDOツール※3の開発、コンサルティングを行う)を100%子会社化した。