■会社概要

3. 競合、特色、強み
北恵<9872>の事業は住宅用建材の仕入販売であるため、販売動向は全体の住宅着工戸数に左右されるのは避けられない。しかし同社は2,000社以上の仕入先、販売先を抱えていることから、特定の取引先の影響を受けることは少ない。言い換えれば、資金回収や商品納入のリスクが分散されており、これは同社の強みの1つと言える。

また施工付販売を行っていることも同社の特色だろう。既に16年前から施工付販売を行っているが、その時からインターネットの時代に入れば、単に商品を右から左へ流す事業は伸び悩むと予想していた。そのため同社では、少しでも付加価値を付けた販売が必要であると考え、施工付販売を開始した。

同社の施工付販売の主なものは外壁工事であり、ニチハ、LIXILグループ、ケイミュー等のメーカーから資材を仕入れ、同社が施工まで行うもの。特色(強み)としては、同社独自の施工基準を設けており、「K!PHOTO」による施工管理や施工確認書による品質管理を徹底していること。さらに同社独自の「外壁工事瑕疵10年保証制度」を付けており、これにより工務店やハウスビルダーの瑕疵担保責任(10年)をバックアップしている。このような同社独自の各種制度などの成果もあり、2016年11月期(2015年12月-2016年11月)では10,441棟(月平均870棟)の施工付外壁工事を受注した。

住宅用建材を取り扱う商社・卸などの競合企業は無数にあるが、大手ではジャパン建材(株)(JKホールディングス<9896>のグループ会社)、ジューテックホールディングス<3157>、OCHIホールディングス<3166>などが主な競合企業である。これらの大手競合企業とは取扱商品はほとんど同じであり、特に大きな違いはない。ただし、販売においては、これらの競合企業は比較的ルート(代理店)販売が多く、同社のほうが直接販売の比率が高いのが特色でもあり強みでもある。直販比率が高いと販売費用はかかるが、一方でユーザー(工務店、住宅メーカー等)やエンドユーザー(施主)からの生の声(意見、要望等)を聞くことが可能であり、これがオリジナル商品の開発や提案型営業に役立っているようだ。この直販比率は16年ほど前にはほとんどゼロであったが現在では既述のように67.6%に達しており、この直販の拡大がこの間の同社の成長を支えてきたとも言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 北恵 Research Memo(3):商社ながら付加価値の高い施工付販売に取り組む