カルナバイオサイエンス<4572>は2月10日、2016年12月期(16年1月-12月)連結決算を発表。売上高が前期比48.3%減の8.11億円、営業損失が4.23億円(前年同期は4.72億円の営業利益)、経常損失が4.40億円(前年同期は4.92億円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が2.89億円(前年同期は4.56億円の当期純利益)だった。

創薬支援事業に関しては、国内において、小野薬品工業<4528>向けに計画していた大規模受託サービスの売上について、小野薬品工業の新研究棟建設に伴う研究計画の見直しで、受託内容および実施時期が変更となり、一部を除き翌期にずれ込んだ。また北米地域においては、カルナバイオサイエンスが開発に成功し、16年7月から全世界で販売を開始した脂質キナーゼであるDGK(ジアシルグリセロールキナーゼ)に関するタンパク質販売ならびに大規模な受託試験契約の獲得について、タンパク質販売は売上計上されたものの、大規模な受託試験契約の獲得が翌期以降にずれ込んだ。

創薬事業に関しては、カナダ「ProNAi Therapeutics,Inc.」(2月10日、社名変更し「Sierra Oncology,Inc.」)との間で、カルナバイオサイエンスが開発したCDC7キナーゼを標的とする抗がん剤の医薬品候補化合物に関するライセンス契約を締結した。それに伴い、当該契約に係る導出一時金(約1億円)を売上計上した。

また、親会社株主に帰属する当期純損失については、同社が韓国のクリスタルゲノミクス社と相互保有していたクリスタルゲノミクス社の株式を売却したことに伴う特別利益の計上により、損失幅が縮小された。

17年12月通期予想については、売上高が前期比77.4%増の14.40億円、営業利益が0.39億円(前期は4.23億円の営業損失)、経常利益が0.35億円(前期は4.40億円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が0.06億円(前期は2.89億円の当期純損失)としている。CDC7阻害薬プログラムの臨床試験開始に伴うマイルストーンを創薬事業の売上に見込むとともに、創薬支援事業では北米地域におけるDGK関連の売上増を見込んでいる。

同日公表の中期経営計画では、複数の創薬パイプラインの導出を目指すとともに、創薬パイプラインの導出価値の極大化を目指して自社臨床試験を開始したいとしている。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 カルナバイオサイエンス---16/12期、ほぼ修正計画通り、17/12期は最終黒字化計画。