「フィスコキャンパス銘柄紹介レポート」とは、フィスコ<3807>のアナリストと現役の女子大学生によって組織された「フィスコキャンパス」による毎月発行の共同レポートである。アナリストとディスカッションを重ね、キャンパス一期生となる7名が「フレッシュな感性」をもとに1人1銘柄選んだ、計7銘柄をまとめている。


※2016年11月号より抜粋


紹介銘柄:三菱地所<8802>
キャンパス生:旅田 悠里


「買収効果や良好な事業環境を背景に、国内外で成長継続が期待される」


■会社概要

三菱地所<8802>は「まちづくりを通じた社会への貢献」を使命として1937年に設立された大手不動産会社です。総合デベロッパーとして三井不動産<8801>と共に業界の双璧を築き、高い知名度を誇ります。事業内容は、ビル事業、住宅事業、海外事業、ホテル事業など多岐にわたるサービスを展開しています。三菱地所プロパティマネジメント、三菱地所レジデンス、三菱地所設計等を有することによる、グループ内での一貫したソリューションが強みの一つでしょう。


■業績動向

17年 3月期第1四半期(16年4-6月)決算において、売上高は前年同期比8.2%増の242,147百万円、営業利益は同27.0%増の47,340百万円と増収増益の結果となっています。不動産サービス事業における取扱件数及び一軒当たりの手数料が増加したことや、賃貸住宅事業の売り上げ増加が主な要因と考えられます。通期計画での営業増益率は5.3%増に過ぎず、計画は上振れての推移になっているとみられます。


■今後の注目点

米国子会社のロックフェラーグループ・インターナショナル社を通じ、投資マネジメント事業を展開するTAリアルティ社を2015年1月に買収して米国の優良不動産投資を行ってきました。今年10月には、その資産規模が10億ドル(約1050億円)にまで達しています。この投資によって、より海外への事業拡大が効率化することが見込めます。また、国内でも、未曾有の低金利状態の継続、オフィス空室率の低水準での推移などのほか、平均賃料も底打ちに転じる気配をみせてくるなど、良好な事業環境が続いています。株価は昨年8月を高値に長期間調整を続けてきましたが、警戒感は過度に織り込んだ水準に達したと考え、今後は見直しの動きを期待します。



※「フィスコキャンパス」とは、現役の女子大学生によって組織されている。難しいと思われがちな金融・経済の世界を、身近なものに感じていただけるよう、大学生の目線に置き換えて企業や株式市場の情報発信を行うことを目的としている。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 ■フィスコキャンパス銘柄分析レポートVol(5) 三菱地所<8802>