■今後の見通し

(2)中期経営計画について

明光ネットワークジャパン<4668>の2020年8月期までの4年間の中期経営計画では、経営目標値として最終年度に売上高で22,541百万円、営業利益3,620百万円を掲げている。営業利益では7期ぶりの過去最高益更新を目指していく(2013年8月期の3,580百万円)。

主力の明光義塾事業では、教室数2,180教室(前期末2,102教室)、生徒数15万人(同13万人)と再成長に向けて取り組んでいくほか、その他の事業の収益力強化並びに持続的な成長に向けた事業領域の拡大もM&Aを活用しながら進めていく考えだ。

a)明光義塾事業の再成長
明光義塾事業の再成長に向けて、同社では競合との差別化を図るため、新たな学習指導スタイルの導入を進めていく計画だ。ポイントは2つで、第1に、生徒の主体的な学びを実現する学習指導方法を導入していく。従来も「明光式!自立学習」により生徒に勉強の仕方を教える指導を行ってきたが、今後はこれをさらに深化させていく予定となっている。

第2に、学習進捗状況や学習履歴のデジタル化による可視化を行い、学習指導やマーケティング活動等に活かしていく次世代教室運営システムの導入を段階的に進めていく。学習現場でのデータと同社の基幹ネットワークシステムを連携し一元化することで、生徒の入会時から退会時までのデータ及び保護者とのコンタクト記録など全ての情報を統合する。これら蓄積したデータを活用することで、授業回数の増加や在籍期間の伸長に向けた提案を効果的に行うことが可能となるほか、地域や学年ごとに細分化したマーケティング施策を打つことも可能になると見ている。同社では2020年までにこうした経営情報システムの開発を段階的に進めていく予定となっている。

b)全ての事業の収益力強化
同社では明光義塾事業以外のすべての事業について、教室数や生徒数の拡大を進めながら収益力を強化していく方針だ。早稲田アカデミー個別進学館では校舎数を前期末の30校から2020年8月期には60校体制に倍増させる計画で、FCオーナーの一般募集を当期より開始した。難関校を中心とした進学学習塾となるため、講師の確保が課題となるが、同課題を克服できれば達成可能な水準である。

同様に明光キッズスクールも前期末の13スクール(運営受託含む)から25スクールに拡大していく。また、日本語学校事業の生徒数は前期末の1,380名から2,000名に、明光サッカースクール生徒数は971名から1,300名を目標としている。このうち、明光キッズスクールについては学童保育の需要が依然旺盛であること、日本語学校事業もアジア圏からの人材流入が続いていることから、それぞれ目標達成の可能性は高いと見られる。

同社では、グループ間でのノウハウ共有や間接部門の共有化を図ることで、グループ全体の収益力を強化し、2020年度までにその他事業においても黒字化を目指していく考えだ。

c)持続的な成長に向けた事業領域拡大
同社では引き続き教育・文化の事業領域において、同社グループの理念に基づくビジネス展開で、明光義塾の強化及び各事業の連携につながる案件があれば、M&Aや投資などを行いながら事業領域を拡大していく方針となっている。海外展開についても韓国、台湾での事業展開に加えて、その他のアジア各国への進出も視野に入れている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 明光ネット Research Memo(5):明光義塾事業の再成長と、M&Aも活用したその他事業の収益力強化・持続的成長