■アイビーシー<3920>の事業環境

パソコンや携帯電話といった身近なツールから、高性能サーバーや大規模データセンター、さらに最近では家電や自動車まで、あらゆる機器がネットワークでつながろうとしている時代にあって、ネットワークシステムが正しく稼働するように見守り、障害の発生を未然に防ぐことは、企業や官公庁などのあらゆる組織にとって極めて重要な危機管理策の1つとなっている。

IDC Japanの調べによると、国内のシステム性能・稼働監視ソフトウェア市場規模は、2012年112,071百万円、2013年118,613百万円、2014年121,075百万円、2015年126,351百万円と拡大基調である。通信事業者やデータセンター事業者の大規模なシステム更新案件、官公庁や地方自治体案件の増加に加えて、仮想環境に対応して稼働監視システムを見直す企業が増加している。そして今後はシステム管理SaaS(Software as a Service)やシステム運用アナリティクスなどが市場成長を後押しする可能性が予想されている。中期的に事業環境は良好だろう。

クラウドコンピューティングやビッグデータの活用、リソースの仮想化などの技術が浸透して、ネットワークシステム全体が一段と高度化・複雑化かつブラックボックス化している状況を考慮すれば、100社を超えるマルチベンダー対応に強みを持つ同社製品の競争優位性が一段と鮮明化することが予想され、中期成長期待が高まる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 アイビーシー Research Memo(10):市場は拡大傾向、中長期的な事業環境は良好