明豊ファシリティワークス<1717>は、建築に関して技術的な中立性を保ちつつ、発注者(施主)の代行者または補助者となって施主側に立ち、基本計画作成や工事発注方式の検討、競争入札、品質・工程・コスト管理などを行うコンストラクション・マネジメント(以下、CM)事業を展開する。情報の可視化による「フェアネス」と「透明性」、並びに高い専門性と提案力に裏打ちされた「高品質なマネジメントサービスの提供」「プロジェクトの早期立ち上げ支援」を行うことで顧客からの信頼を獲得し、成長を続けている。2016年11月には、建設業界における発注者支援事業(=CM事業)を我が国に定着させる経営課題への取り組みが評価され、(一社)日本能率協会(JMA)が主催する「KAIKA Awards 2016」※にて「KAIKA賞」を受賞した。

※日本能率協会では、「個の成長、組織の活性化、組織の社会性(広がり)」を同時に実現していく運動を「KAIKA」と定義し、社会課題の解決につながる、組織としての力強い取り組みや画期的な取り組みを実施している組織・企業を表彰する制度。2016年度はKAIKA大賞に2社、KAIKA賞に4社が選定された。

2017年3月期第2四半期累計(2016年4月−9月)の業績は、経常利益で前年同期比1.1%増の153百万円と増益決算となった。CM事業において大手企業からの継続案件や新規顧客からの受注が増加したことが増益要因となった。

2014年に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(以下、品確法)が改正され、多様な入札方式の導入・活用に向けた取り組みが進むなか、築地市場の豊洲移転問題によって公共分野におけるプロジェクト管理の重要性が改めて認識されたこともあり、CM業務に対する地方公共団体からの問い合わせが増加傾向にある。実際、2016年11月には東京都世田谷区の本庁舎等整備事業における設計業者選定準備支援業務の受託候補に選定されるなど、ここ最近では大型案件を受注するケースも増えており、今後は地方公共団体からの受注拡大が予想される。

2017年3月期の売上高は前期比0.4%増の7,400百万円、経常利益は同3.5%増の590百万円と増益基調が続く見通し。下期の受注も堅調でほぼ通期計画の達成が見える状況まで来ている。同社の成長の原動力となる人材についても、年間10名ペースで増員していく方針に変わりなく、2018年3月期以降も増収増益基調が続く見通しだ。

2017年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の12.0円(配当性向33.9%)と4期連続の増配を予定している。配当性向は33%程度を目安としており、収益の拡大とともに配当成長が期待される。

■Check Point
・施主側に立つことに徹底した、発注者支援をメイン業務
・建設会社、設計事務所などで現場経験ある人材が豊富なプロ集団
・明豊の認知度アップで地方公共団体からの受注案件が増加傾向

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 明豊ファシリ Research Memo(1):2017年3月期下期の受注堅調で、通期計画達成も見えてきた