■ビジネスモデル

ソフトバンク・テクノロジー<4726>のビジョンは、「技術の力で、未来をつくる」とあり、この理念のもとで、大きく成長することを目標に掲げ、データアナリティクス、セキュリティソリューション、クラウドソリューションの3分野に注力している。クラウドの技術力と実績を強みとして、顧客にとってのITベンダーではなく、ビジネスを変革していくビジネスパートナーとして事業を進めている。

同社の成り立ちは、ECサービスを行ってきたユニット、システムインテグレーションを行ってきたユニット、プラットフォームソリューションを行っていたユニットの3つの異なる技術要素を持ったチームが1つになったことから始まっている。2012年に代表取締役社長CEOの阿多親市(あたしんいち)氏が加わり、現在のビジネスモデルになった。阿多氏が参画した後、大きな仕事を受けられるビジネスモデルを目指し、従業員も売上も増やしてきた。

今はセキュリティの時代という認識のもとで、経営資源を更にクラウドに集中し、セキュリティを重視したクラウドの構築、また、クラウド上に集まるビッグデータを解析・分析することによってビジネスを前進させていく。

2017年3月期から、更なる成長のための2つの基本戦略を定めている。

1)セキュリティ、ビッグデータをクラウドに集約
2) IoTビジネスの開発

クラウドに関しては、パブリッククラウドを中心にビジネスを展開していく。

現在はこの2つの戦略を中心にしたビジネスモデルで業務を推進し、人員の採用も行っている。特にPMP(プロジェクト管理の国際標準資格)を含む上級IT資格者数を増やしていく。

クラウドは低コストでスタートでき、いつからでもどこからでもアクセス可能で、また拡張・縮小がスピーディーにでき、災害の影響が受けにくいという特徴がある。パブリッククラウドの中に企業のシステム、個人のサービスを入れていくような「クラウドシフト」を進めていくと、高い成長率が見込めると思われる。

日本でなぜ今後高い成長率が見込めるかというと、情報システムに携わる人間の数を米国と比較して考えてみればわかる。米国においてコンピュータシステムは頭脳と考えられており、外に出さない。したがって、社内にITエンジニアを多く抱える。インフラは社外に頼ることもあるが、競争優位を生み出すためのコンピュータシステムは自社に留める。一方、日本は米国のコンピュータ会社のアウトソーシングを受けることも多く、ITベンダーにシステムの構築も依頼している。日本では、クラウドを推進するためには頼れるパートナーが必要だと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ソフトバンテク Research Memo(4):「技術の力で、未来をつくる」を理念とする