■サービス別売上高

ソフトバンク・テクノロジー<4726>は、3つの領域でビジネスを展開している。デジタルマーケティング、クラウドシステム、プラットフォームソリューションの3つだ。それぞれの事業セグメントにおいては、2つのサービス区分があり、それぞれ事業を展開している。デジタルマーケティング分野は、ECサービスとデータアナリティクス、プラットフォームソリューション分野は、ITインフラソリューションとセキュリティソリューション、クラウドシステム分野は、システムインテグレーションとクラウドソリューションだ。

まず、デジタルマーケティング分野だが、ECサービスでは、セキュリティの(株)シマンテックのシマンテックストアでのセキュリティソフトウェア販売を事業の柱としている。販売代行事業であり、同社がシマンテックストアを構築・運用し、シマンテック社からライセンスを仕入れ、顧客が購入・ダウンロードするという仕組みだ。データアナリティクスのサービスはビッグデータ関連事業で、従来から注力している分野だ。しかしながら、現在はこのサービスは、レッドオーシャン、すなわち競合過多になってきている。川上の広告業者等多くの事業者が参入してきているため、現在は戦略を練り直しているところだ。

次にプラットフォームソリューション分野では、ITインフラソリューションとセキュリティソリューションの2つのサービスがあり、セキュリティソリューションを注力分野としている。ITインフラソリューションは、例えばサーバー機器のような物品の販売比率が高く、売上の凸凹が多くあまり利幅も取れない。一方セキュリティソリューション分野は伸びており、注力している分野だ。

3つ目のクラウドシステム分野は、システムインテグレーションとクラウドソリューションの2つの分野に分かれており、システムインテグレーションはソフトバンクグループ各社に向けた開発が主。2017年3月期第2四半期の業績は伸びているが、外部パートナーも多く活用しているため売上に対して限界利益は伸びていない。クラウドソリューションの分野は、今後も採用活動を続け、注力事業としていく。マイクロソフトのAzureをベースとしたクラウドサービスで、公共関連の売上がこのサービス区分に入っている。

同社は運用・サービスの伸びに注力している。開発を伸ばしていくと、その後運用・サービスが伸びる仕組みである。機器販売は利益貢献も少ないがテクニカルサポート付きで販売している。

個人向け販売はシマンテックストアのダウンロードサービスなので、メーカー側の意向が大きく働くため、同社では効率的な運営を行うことによって利幅を増やすことが重要と考えている。SBグループへの売上は、機器販売の影響で凸凹があるが、重要なのはSBグループ外の売上高で、過去4年間売上を伸ばしてきており、この2017年3月期第2四半期も伸ばした。

2016年9月末の単体の受注残高は過去最高の93億円である。機器販売より先行指標としての開発および運用・サービスの受注残高が重要である。ECサービスを除いても、2015年6月から9月にかけて大きく伸びており、それには公共の開発案件が含まれているが、2017年3月期は個別案件が多く増えている状況である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ソフトバンテク Research Memo(3):各サービス共に堅調に進捗