早稲田アカデミー<4718>は、首都圏で小学生から高校生を対象とする進学塾「早稲田アカデミー」を直営方式で運営。早稲田大学及び慶應義塾大学(以下、早慶)附属高校の合格実績で圧倒的No.1を誇る。2016年9月末の校舎数は連結ベースで154校。うち、子会社の(株)野田学園で医歯薬系専門の大学受験予備校「野田クルゼ」2校、(株)水戸アカデミーで小中学生向け進学塾「水戸アカデミー」2校を展開している。

2017年3月期第2四半期累計(2016年4月−9月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.1%増の10,090百万円、営業利益が同7.9%減の468百万円と増収減益決算となったが、期初計画比では営業利益ベースで248百万円上回った。期中平均塾生数は計画比で0.3%減とやや下回ったものの、校舎運営体制や業務フローの見直しによる原価低減効果や経費節減効果が想定以上に寄与した。一方、前年同期比ではマス層をターゲットにした広告宣伝費の増加や、英語研究課の新設に伴う費用増により減益となっている。

2017年3月期は売上高が前期比2.8%増の20,749百万円、営業利益が同5.0%増の1,070百万円となる見通し。期中平均塾生数は同2.7%増を見込んでおり、下期も引き続き原価低減効果が見込めることから通期では増益となる見通しだ。なお、新規出校数は通期で5校を予定しており、うち、1校は新たに開始する多読英語教室「早稲田アカデミー English ENGINE 南大沢」となる。対象は小学校低学年から中学生までで、英書の多読と日本人講師による授業を通じて、「英語脳」を育んでいくことを特徴としている。2017年1月開校予定だが、問い合わせ状況は非常に活況となっている。同社では2020年に6〜10校体制に拡大していく計画となっている。

2018年3月期以降も業績は増収増益基調が続くことが予想される。特に、収益性に関しては2017年5月に新基幹システムの運用が始まることでさらに向上する。校舎で日々行われている業務においてキャッシュレス化が実現可能となり、各種業務の効率化が進むことで間接人員の人件費削減が進むことや、業務フロー改善の効果が今後も継続していくためだ。売上高経常利益率では、2016年3月期の5.0%から10%に引き上げていくことを当面の目標としており、2018年3月期以降は増益ペースが加速していくものと予想される。

株主還元策としては、安定配当を基本としつつも、配当性向で30%以上を目安と考えている。また、株主優待として3月末時点で100株以上の保有株主を対象に、継続保有期間に応じてQUOカード(1,000円または2,000円分)を贈呈する。2017年3月期の1株当たり配当金は30.0円(配当性向37.4%)を予定している。

■Check Point
・2017年3月期は増収増益の見込み
・2017年1月開校、多読英語教室「早稲田アカデミーEnglish ENGINE」が注目
・2017年3月期は、配当金が前期比横ばいの30円、配当性向37.4%を予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 早稲アカ Research Memo(1):売上高経常利益率10%が目標、2018年3月期以降は増益ペース加速予想