日本トリム<6788>は、電解水素水(高機能水)整水器トップメーカー。新たな成長ステージ入りをしたとして積極的な事業展開をしている。20余年にわたって国内外の大学及び研究機関と共同研究を重ね、エビデンスを根拠とする科学的アプローチによる電解水素水の用途を飲用から医療分野や農業分野、さらに畜産分野に広げている。

新製品を新規市場向けに次々と投入している。2014年10月に発売した農業分野向け還元野菜整水器は、133ヶ所(2016年6月時点)で利用され、収穫量や品質面で、2年連続して有意な差が確認された。国の先端モデル農業確立実証事業として採択された、高知県における産学官連携事業は、2017年初頭に次世代型大型施設が完成する。全国の飲食店などで電解水素水整水器が利用されているが、2016年10月に処理能力の高い業務用専用機を2機種発売した。医療分野では小型軽量化した新型電解水透析逆浸透精製水製造システムを発売した。電解水透析は、全国15施設、251床で実施されているが、新製品の投入は、まずは全都道府県への設置を目標とする。帯広畜産大学と競走馬の胃潰瘍発症を電解水素水飲用により予防する実験結果が良好だった。今後は、競走馬はもとより、より市場規模が大きな畜産分野に進出する意向でいる。

研究開発では、電解水素水と他の水との差別化を目的とした九州大学、東京大学との共同研究論文を投稿中である。2017年年5月に、高知県須崎市、高知大学医学部と共同で、整水器500台を使用する市民を対象の臨床・疫学調査を実施することが決定された。

コア事業の電解水素水整水器は、2017年3月期第2四半期にマスコミの水素水に対するネガティブキャンペーンのため一時的に販売効率の低下がみられた。しかし、回復基調になりつつあり、直接販売では「健康経営」を営業テーマとして大口受注の獲得を狙う。卸・OEMの売上高も急拡大を進める。電解水素水整水器は、胃腸症状改善などの健康効果があるうえ、中長期で見るとコストが安い、いつでも作りたての新鮮な水素水、エコロジーなどのメリットがある。普及率が5~6%であるが、将来、20%へ高めて、交換用浄水カートリッジを安定収益源としていく。

2017年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比9.2%増の8,122百万円、営業利益が同15.0%増の1,765百万円の増収増益であった。2017年3月期の期初予想は変更していない。

■Check Point
・電解水素水生成技術を核に新規市場を切り開く
・農業分野に続き、業務用と医療分野に新製品を投入
・17/3期2Q期の業績は、ほぼ期初予想どおりの展開

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 日本トリム Research Memo(1):新製品を新規市場に次々と投入