■株主還元

ワコム<6727>は株主還元については配当金によることを基本とし、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続することを基本方針としている。配当の水準については配当性向40%以上を維持することを明示しているほか、回数については事務コストを考慮して期末の年1回としている。

2017年3月期については、期初に18円の配当予想を公表したが、第1四半期時点(8月)に12円に引き下げられ、さらに第2四半期時点(11月)で6円に再度引き下げられた。財務の健全性の確保が引き下げの理由となっているが、妥当な判断であると弊社では考えている。

同社はまた、自己株式の取得も積極的に行ってきた。これは配当のように定期的に行うものではないが、近年の実績は2011年8月−9月(200万株)、2013年10月−12月(200万株)、2015年5月−6月(230万株)となっている。2017年3月期についても、500万株を上限に自己株式取得が計画され、これまで2,156,500株が取得されたが、業績修正に合わせて11月9日に今期中の残りの自己株式の取得の中止が発表された。来期以降、業績の回復状況を見ながら、再開が判断されるとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ワコム Research Memo(7):財務の健全性確保を理由に17/3期の配当予想は6円に再度引き下げ