メディカルシステムネットワーク<4350>は、中小調剤薬局向け医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業を2本柱として事業を展開している。調剤薬局事業ではM&Aも活用したグループ拡大戦略を推進中。10年後に連結売上高で3,000億円規模を目指す。

11月8日付で発表された2017年3月期第2四半期累計(2016年4月−9月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.1%増の43,401百万円、営業利益が同68.7%減の549百万円となった。調剤報酬改定及び薬価引き下げの影響や人件費増により、調剤薬局事業の収益が大きく落ち込んだほか、賃貸・設備関連事業や給食事業などその他の事業もそろって減益となった。一方で、医薬品等ネットワーク事業の加盟店舗数は、9月末で前期末比197店舗増の1,597店舗と順調に拡大した。

2017年3月期の業績は売上高が前期比2.6%増の90,000百万円、営業利益が同39.2%減の2,300百万円を見込んでいる。期初計画からは売上高で2,000百万円、営業利益で970百万円の下方修正となっている。調剤薬局事業については調剤報酬改定への取り組みを推進していくことで収益回復を目指していく。また、損失が続いている給食事業などその他の事業については、各種施策の実行により今下期を底に来期以降の収益改善を目指していく考えだ。

調剤薬局業界にとって厳しい市場環境が続くものの、薬局の経営効率向上に寄与する医薬品等ネットワーク事業は逆に加盟件数を拡大する好機となっている。ネットワーク加盟のメリットについては、仕入価格低減等による店舗収益率の向上が挙げられるが、今後もサービスの拡充を図ることで、加盟メリットを打ち出していく戦略だ。

調剤薬局数は国内で約5万店舗あり、同社のネットワーク加盟店のシェアは約3%だが、5年後には10%程度までシェアを拡大していくことが予想される。2017年3月期の業績は調剤薬局事業やその他事業の悪化によって一時的に落ち込むものの、収益性の高い医薬品等ネットワーク事業をけん引役に、中長期的には成長していくものと弊社では予想している。

■Check Point
・医薬品等ネットワーク事業の加盟件数増加で、17/3期2Q累計における医薬品発注取扱高は上期として過去最高
・業績モメンタムは17/3期上期を底に下期以降回復トレンドに転じる予想
・日本郵便やシステム開発会社と業務提携でサービスを拡充し競争力強化

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 メディシス Research Memo(1):M&A活用のグループ拡大戦略で、10年後には連結売上高3,000億円目標