*16:35JST アドバンテストが重荷も全般落ち着いた値動き【クロージング】 30日の日経平均は4営業日続落。19.85円安の40654.70円(出来高概算19億7000万株)で取引を終えた。前日の取引終了後に上方修正を発表したアドバンテスト<6857>が買い先行で始まった影響もあり、40744.53円と反発して始まった。ただ、アドバンテストはその後軟化したほか、日米の金融政策決定会合という重要イベントを前に持ち高調整の売りが出やすく、前場中盤には40556.61円まで水準を切り下げる場面があった。その後は様子見ムードが広がるなか、こう着感の強い相場展開が続いた。

東証プライム市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄が1000を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、非鉄金属、繊維製品、海運、不動産など26業種が上昇。一方、空運、サービス、パルプ紙、輸送用機器、精密機器など7業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、フジクラ<5803>、東エレク<8035>、キヤノン<7751>、日東電工<6988>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、アドバンテスト、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>が軟調だった。

光ファイバー大手の米コーニングが取引終了後に発表した決算が評価され、フジクラや古河電<5801>、住友電<5802>の電線大手がそろって上場来高値を更新した。アドバンテストの弱い値動きはセンチメントを冷ます一因にはなっただろうが、全体としては値上がり数が6割を占めている状況で、ポジティブな材料への反応もみられていた。日経平均はマイナスとはなったが、落ち着いた値動きだったとみられる。もっとも、ANA<9202>が予想を下回る決算を受けて大きく売られるなど、主要企業の決算内容に過剰に反応しやすい需給状況であり、次第に様子見姿勢が強まりやすいだろう。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が日本時間あす未明に明らかになるほか、あす正午ごろには日銀の金融政策決定会合の結果も判明する。サプライズはないとみられるが、週末には米雇用統計などの発表を控えていることもあり、アク抜け期待は高まらないだろう。ただ、日経平均は40500円接近では底堅さが意識されており、押し目狙いのスタンスに向かわせそうである


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情報提供元: FISCO
記事名:「 アドバンテストが重荷も全般落ち着いた値動き【クロージング】