*08:17JST 8日の米国市場ダイジェスト:NYダウは165ドル安、貿易戦争懸念が再燃 ■NY株式:NYダウは165ドル安、貿易戦争懸念が再燃

米国株式市場はまちまち。ダウ平均は165.60ドル安の44240.76ドル、ナスダックは5.94ポイント高の20418.46で取引を終了した。

主要経済指標の発表なく、寄り付き後、まちまち。トランプ大統領が新たに設定した上乗せ関税分の猶予期限8月1日の延長を認めない方針を示したため警戒感が広がり相場の売り圧力が強まった。関税を巡る不透明感にダウは終盤にかけて、売りが加速した。ナスダックは人工知能(AI)関連の強い需要期待が根強く下値を支え、かろうじてプラス圏を回復し、まちまちで終了。セクター別ではエネルギーや自動車・自動車部品が上昇した一方、銀行が下落した。

天然資源会社のフリーポート・マクモラン(FCX)はトランプ大統領が銅輸入に50%関税を賦課すると発言し、銅価格の急伸に連れ収益増期待が強まり買われた。半導体のインテル(INTC)は新最高経営責任者(CEO)の恒久的なコスト削減計画の一環でオレゴンでの500人超の従業員削減計画を発表し、上昇。配車サービスを提供するリフト(LYFT)はプエルト・リコでのサービス開始を好感し、上昇。銀行のバンク・オブ・アメリカ(BAC)はクウェート投資庁が保有している31億ドル相当の同社株を売却したとの報道で、売られた。

また、ソーシャルメディアのフェイスブック(FB)を運営するメタ・プラットフォームズ(META)は携帯端末のアップル(AAPL)の人工知能(AI)開発最高責任者が同社に移籍することが明らかになったほか、スマートグラス投資で、提携しているレイバンなどのブランドを運営するイタリアのメガネメーカー、エシロール・ルクソッティカの株式購入が報じられ、小幅高。オンライン小売のアマゾン(AMZN)は毎年恒例のセール「プライムデー」で開始後4時間の売上高が前年を14%下回ったとの報道で、売られた。

トランプ大統領は連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長について、中銀本部の改修計画を巡り議会をミスリードしたとの批判が事実であれば速やかに辞任すべきと訴えた。

(Horiko Capital Management LLC)


■NY為替:米国債入札織り込み長期金利上昇、ドル続伸

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は146円44銭から146円98銭まで上昇し、146円54銭で引けた。トランプ米政権の関税策がインフレを押し上げるとの懸念が根強く、さらに、米財務省が今週予定している米国債入札を織り込み長期金利上昇に伴いドル買いが優勢となった。その後、NY連銀の1年インフレ期待の低下で伸び悩んだ。

ユーロ・ドルは1.1683ドルまで下落後、1.1730ドルまで反発し、1.1726ドルで引けた。ユーロ・円は171円63銭から、172円02銭まで上昇した。ポンド・ドルは1.3526ドルまで下落後、1.3598ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.7995フランまで上昇後、0.7953フランまで下落した。


■NY原油:強含みで68.33ドル、供給不安残る

NY原油先物8月限は強含み(NYMEX原油8月限終値:68.33 ↑0.40)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比+0.40ドル(+0.59%)の68.33ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは67.33ドル-68.91ドル。供給不安は残されており、通常取引終了後の時間外取引では68ドル台前半で推移した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  47.15ドル   -1.51ドル(-3.10%)
モルガン・スタンレー(MS) 141.13ドル  -2.61ドル(-1.81%)
ゴールドマン・サックス(GS)697.28ドル  -13.65ドル(-1.92%)
インテル(INTC)        23.59ドル   +1.59ドル(+7.22%)
アップル(AAPL)        210.01ドル  +0.06ドル(+0.02%)
アルファベット(GOOG)    175.16ドル  -2.40ドル(-1.35%)
メタ(META)           720.67ドル  +2.32ドル(+0.32%)
キャタピラー(CAT)      394.29ドル  +2.78ドル(+0.71%)
アルコア(AA)         30.51ドル   +0.70ドル(+2.34%)
ウォルマート(WMT)      97.09ドル   -2.26ドル(-2.27%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の米国市場ダイジェスト:NYダウは165ドル安、貿易戦争懸念が再燃