*15:53JST 手掛かり材料に欠けるなか利益確定の流れが優勢【クロージング】 28日の日経平均は小幅続落。39.28円安の33408.39円(出来高概算13億1000万株)で取引を終えた。33500円を回復して始まったが、前日の米国市場で主要株価指数が小幅に下落した流れのなか、その後は利益確定の動きが優勢となり、前場終盤には33298.04円まで下落した。また、円相場が一時1ドル=147円台へと円高に振れたことから、輸出関連株などへの利食いに向かわせた。手掛かり材料に欠けているほか、米国では今夜、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事やボウマン理事の講演が控えているほか、11月のコンファレンスボードによる消費者信頼感指数の発表もあり、これらの内容を見極めたいとした模様眺めムードも強まった。ただし、売り仕掛け的な動きも限られており、後場は33400円を挟んでの底堅さもみられた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が970となり、全体の6割近くを占めた。セクター別では、水産農林、パルプ紙、ゴム製品、鉱業など17業種が上昇。一方、証券商品先物、保険、海運、輸送用機器など16業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>がしっかりだった半面、デンソー<6902>、ダイキン<6367>、ファナック<6954>、第一三共<4568>が軟調だった。

週明けの米国市場は、高値警戒感が強まっていることに加え、新築住宅販売件数が市場予想を下回ったことなどから、上昇が一服。主要株価指数はそろって下落した。ただ、本日の東京市場では、前日の下げの反動や海外投資家による買い継続への期待から、日経平均は朝方に反発して始まり、上げ幅は一時100円に迫る場面があった。その後はこう着感の強い相場展開となっており、相場が一段と上値を目指すには新たなきっかけ材料が必要だろう。

今夜のFRB理事の発言に関し、市場では、足元で米長期金利が低下基調にあるだけに、確認したいところだ。また、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げは見送られるというのがマーケットコンセンサスだが、それ以降の金融政策について、これまで通りの「今後のデータ次第では追加利上げの可能性もあり得る」という発言内容になるのかが注目される。経済指標については、市場予想を下回る弱い結果となれば、ドル安・円高が進む可能性もあるだけに、為替の動きにも警戒したいところだろう。


<CS>
情報提供元: FISCO
記事名:「 手掛かり材料に欠けるなか利益確定の流れが優勢【クロージング】