*15:01JST 10月のくりっく365、ドル・円は小動き、ランド・円は弱含みか 東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2023年9月の取引数量が前月比16.7%減の191万7266枚、1日の平均取引数量は9万1298枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は4794.95億円と前月比で6.49億円増加した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、豪ドル、トルコリラ、南アフリカランドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、9月の取引数量が前月比11.2%減の384万7186枚、1日の平均取引数量は21万4173枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は827.97億円となり、前月比で14.97億円の増加となった。

取引数量トップは米ドル・円で68万6282枚(前月比9.1%減)であった。9月8日に鈴木俊一財務相が「過度な変動にはあらゆる選択肢を排除せずに対応する」などと発言したと伝わると、日本政府による為替介入が警戒され、週明け11日にはドル・円は一時1ドル=145円台まで下げた。ただ、日米の長期金利上昇につられる形でドル・円は再度上昇し、27日には1ドル=149円台まで上昇。28日に鈴木財務相が改めて「過度な為替変動は望ましくない」という姿勢を示すとドル・円は上げ渋った。豪ドル・円は16万3300枚(前月比20.0%増)であった。9月5日に豪準備銀行(中央銀行)は3会合連続となる政策金利据え置きを決定した。米国の追加利上げ観測の高まりや日本銀行の政策転換への思惑から日米長期金利は上昇しており、豪ドルはこれらに対し売られる形となり、豪ドル・円では一時1豪ドル=93円台まで下落した。しかし、中国政府による景気支援スタンスが好感され、中国経済の減速懸念が緩和されたことから豪ドル高・円安が進み、月末には1豪ドル=96円台まで上昇した。

10月のドル・円は小動きか。10月3日に1ドル=150円台から147円台まで急落する場面があり、日本政府による為替介入が疑われているものの、市場では介入は実施されていないという見方が多いもよう。ただ、引き続き為替介入への警戒感は残り、上昇局面では円が売りづらくなりそうだ。一方、米高官のハト派発言も続くなか、米連邦準備制度理事会(FEB)の年内追加利上げ観測は後退しつつあるが、イスラム組織ハマスのイスラエル急襲で原油価格は急騰しており、今後の下落も見通せないことから米長期金利は下げづらいか。ドル買い・円売り基調は継続ながらも動きづらい展開が続くだろう。ランド・円は弱含みか。9月21日に南アフリカ準備銀行(中央銀行)は2会合連続となる政策金利の据え置きを決定した。ハニャホ中銀総裁は財政悪化で物価上昇圧力が助長されるリスクがあると指摘し、今後の利下げ見通しは明らかにしなかったものの、市場関係者は来年上半期に利下げに着手すると予想しており、ランドは売られやすいか。また、ハニャホ総裁はランド防衛のための為替介入については否定しており、新たな買い材料が提示されない限り、ランド安基調は続きそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 10月のくりっく365、ドル・円は小動き、ランド・円は弱含みか