*15:54JST 米国の利上げ長期化を警戒した売りが優勢に【クロージング】 18日の日経平均は3日続落。175.24円安の31450.76円(出来高概算11億9000万株)で取引を終えた。米国の長期金利の上昇を嫌気したハイテク株売りが波及したほか、中国景気の減速懸念も加わり、リスク回避の売りが優勢。日経平均は取引開始直後に31275.25円まで水準を切り下げた。その後、中国の上海株が政策期待から朝安の後、切り返したことから、短期筋による先物買いが入り、日経平均も前引けにかけて、プラスに転じる場面があった。しかし、米国の金融政策の行方や中国不安など先行き懸念は拭えないなか、週末を迎えており、次第に持ち高調整の動きが強まり、31300~31400円で軟調に推移していた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1400を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、卸売、パルプ紙、石油石炭の3業種を除く30業種が下落し、電気ガス、小売、建設、陸運、空運などの下落が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、バンナムHD<7832>、三菱商<8058>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、信越化<4063>、第一三共<4568>が軟調だった。

前日の米国市場は、利上げ長期化に対する不安感から主要株価指数は下落し、東京市場もこの流れが波及する形で始まった。また、中国の不動産開発会社、中国恒大集団が日本時間のきょう早朝、米連邦破産法15条の適用を米国の連邦破産裁判所に申請したと伝わったため、中国景気の後退懸念が広がったことも、響いたようだ。一方、米国の半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズ(AMAT)は第4四半期のガイダンスもアナリスト予想を上回ったため、時間外取引で上昇。アドバンテスや東エレクがしっかりに推移した。

市場は引き続き、米中の景況感の行方をにらみながらの展開が続きそうだ。来週はジャクソンホール会議が予定され、各国の金融政策の現状を確認したいと考える向きが多く、利上げ長期化懸念が続くなら、グロース株中心に軟調な展開を余儀なくされそうだ。また、中国の不動産リスクは恒大集団だけでなく、他にも広がりを見せているだけに、今後連鎖破綻などが起きないか警戒が必要だろう。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 米国の利上げ長期化を警戒した売りが優勢に【クロージング】