7日の日経平均は5営業日ぶりに小反落。8.18円安の27685.47円(出来高概算11億2000万株)で取引を終えた。雇用統計を受けた早期利下げ期待のはく落から米長期金利が上昇していることもあり、円相場が1ドル=132円へと円安傾向に振れた。これを受けて輸出関連株を中心に本日の日経平均は買いが先行。取引開始後に一時27814.96円まで上昇した。ただ、心理的な節目である28000円を前に戻り待ちの売りに加え、ワシントン・エコノミッククラブにおいてパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のインタビューが予定されていることなども手控え要因となり、後場はやや弱含む展開となった。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が900を超え、全体の約過半数を占めた。セクター別では、銀行、その他金融、繊維製品、保険、化学など18業種が上昇。一方、鉄鋼、不動産、非鉄金属、鉱業など15業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、ヤマトHD<9064>、東エレク<8035>、資生堂<4911>、日東電工<6988>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、エムスリー<2413>が軟化した。

週明けの雇用統計を受けて台頭した早期利下げ期待への思惑が修正されたため、金利動向に敏感なハイテク株を中心に値を崩し、6日の米国の主要株価指数は下落した。ただ、日米金利差拡大観測から円安が進んでいるため、東京市場では自動車や機械などを中心に値を上げる銘柄が増えた。また、前日に値を崩した金融株が反発していることも投資マインドの改善につながった面もあるほか、本格化する国内企業の決算を材料に個別では、活発な物色も散見された。

米国では今夜、パウエルFRB議長がワシントン・エコノミッククラブで講演を行うほか、バイデン米大統領が一般教書演説を行う。パウエル氏の講演については、強い雇用統計を受けて、利上げの最終到達地点であるターミナルレートの想定や利上げ休止時期についてどのような発言をするのか見極めたいと考える投資家が多い。また、一般教書演説でも半導体問題での米中対立激化が懸念されるなか、米国のスタンスはどうなるのかも確認したい向きは多いだろう。加えて、国内でも今週はダイキン<6367>、富士フイルム<4901>、トヨタ<7203>、日産自<7201>、東エレク<8035>など主力企業の決算発表も控えており、目先は方向感の定まらない展開が続きそうで、森より木をみる展開が継続しそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 買い先行も後場に弱含みほぼいってこい【クロージング】