6日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。日銀総裁人事に関する思惑で、円買い圧力が強まる可能性があろう。ただ、前週末の強い米雇用統計を受け連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め継続を期待したドル買いが続きそうだ。

3日に発表された米国の失業率が記録的な水準に低下したほか、非農業部門雇用者数は予想を大幅に上回った。また、平均時給は想定ほど鈍化せず、インフレの押し上げ要因として意識された。それを受け米金利高・ドル高に振れユーロ・ドルは1.08ドルを割り込み、ドル・円は131円台前半に浮上。週明けアジア市場は日銀総裁人事で黒田路線の継承への思惑で円の売り買いが交錯したが、ドル・円は下げ渋り下値の堅さが目立った。

この後の海外市場は米雇用統計が改めて材料視される見通し。前週の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBの今後の政策方針はタカ派的でないと市場に受け止められた。ただ、予想外に強い雇用統計を受け引き締め継続の期待が再燃し、米金利高・ドル高の地合いが続きそうだ。また、欧州中銀や英中銀など他の主要中銀がタカ派姿勢を後退させるなか、ドル選好地合いが見込まれる。ドル・円は円買いの可能性はあるが、ドル買い継続で下げづらいだろう。

【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・1月建設業PMI(12月:48.8)
・19:00 ユーロ圏・12月小売売上高(前月比予想:-2.5%、11月:+0.8%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、強い米雇用統計で引き締め継続に期待感