■NY株式:米国株式市場は下落、過剰な利上げによる景気悪化を警戒

ダウ平均は613.89ドル安の33,296.96ドル、ナスダックは138.10ポイント安の10,957.01で取引を終了した。

12月生産者物価指数(PPI)が予想以上に鈍化し、インフレ圧力の低下で金利先高懸念が後退したため、上昇スタート。一方、12月小売売上高や12月鉱工業生産が予想以上に悪化し景気減速が明らかになる中、クリーブランド連銀のメスター総裁が追加利上げが必要とタカ派姿勢を再表明したため、売りに転じた。さらに、セントルイス連銀のブラード総裁も次回会合での0.5ポイントの利上げの必要性を指摘するなど、FRB高官のタカ派発言が相次いだため、過剰な利上げにより景気が損なわれるとの警戒感が強まり終盤にかけ、売りが加速した。金利の低下で上昇していたナスダック総合指数も下落に転じ、主要株価指数は下げ幅を拡大して終了。セクター別では、特に、銀行や食品・飲料・タバコが下落した。

バイオのモデルナ(MRNA)は開発中のRSV治療薬を巡る最終治験において高齢者への有効性が高いことを明らかにし、コロナワクチン以外の収入源に繋がるとの期待から買われた。また、物流サービス会社のJBハント・トランスポート・サービシズ(JBHT)は第4四半期決算の内容が予想を下回ったものの、第2四半期から輸送市場の回復を予想していると楽観的な見通しを示して上昇。航空関連のアーチャー・アビエーション(ACHR)は当局への届け出で、同社幹部による自社株買いが明らかになり、大幅高となった。一方、オンライン証券会社のチャールズ・シュワブ(SCHW)は口座手数料収入が予想に満たず第4四半期決算の内容が予想を下回り下落。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はアナリストの目標株価引き下げで下落した。

セントルイス連銀のブラード総裁は利上げを前倒しに行う必要があると主張。年内に政策金利が5.5%近辺まで上昇するとの見通しを示した。同総裁は2023年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持たない。

(Horiko Capital Management LLC)


■NY為替:FRBのタカ派姿勢でドル売り縮小

18日のニューヨーク外為市場でドル・円は、129円08銭から127円57銭まで下落し、128円92銭で引けた。米12月生産者物価指数(PPI)、12月小売売上高や12月鉱工業生産が軒並み予想を大幅に下回ったため連邦準備制度理事会(FRB)がさらに利上げペースを減速するとの思惑が強まり、金利低下に伴いドル売りが加速。その後、米1月NAHB住宅市場指数が予想外に改善したほか、メスター・クリーブランド連銀総裁がインフレ鈍化も追加利上げが必要と主張、さらに、ブラード・セントルイス連銀総裁がソフトランディングの可能性が著しく改善しており、インフレ制御で前倒しでの利上げを推奨し次回会合で50BPの利上げが適切になると主張したため金利が下げ止まった。ドル売りも後退。

ユーロ・ドルは、1.0887ドルまで上昇後、1.0787ドルまで反落し1.0795ドルで引けた。ユーロ・円は139円83銭から138円82銭まで反落。ポンド・ドルは、1.2436ドルまで上昇後、1.2328ドルまで反落した。ドル・スイスは、0.9086フランへ下落後、0.9172フランまで反発した。


■NY原油:反落で79.80ドル、80ドルを下回る

NY原油先物3月限は反落(NYMEX原油3月限終値:79.80 ↓0.65)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比-0.65ドルの79.80ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは79.32ドル-82.66ドル。ニューヨーク市場の前半にかけて82.66ドルまで一段高となったが、米国経済の減速懸念が強まり、需要減少の見方が増えていることから、通常取引終了後の時間外取引で79.32ドルまで反落。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  33.72ドル   -0.80ドル(-2.32%)
モルガン・スタンレー(MS) 96.58ドル   -0.50ドル(-0.52%)
ゴールドマン・サックス(GS)349.09ドル  -0.83ドル(-0.24%)
インテル(INTC)        28.81ドル   -0.79ドル(-2.67%)
アップル(AAPL)        135.21ドル  -0.73ドル(-0.54%)
アルファベット(GOOG)    91.78ドル   -0.38ドル(-0.41%)
メタ(META)           133.02ドル  -2.34ドル(-1.73%)
キャタピラー(CAT)      252.82ドル  -3.44ドル(-1.34%)
アルコア(AA)         53.45ドル   -1.41ドル(-2.57%)
ウォルマート(WMT)      140.84ドル  -3.57ドル(-2.47%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 18日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は下落、過剰な利上げによる景気悪化を警戒